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世間知らずの坊ちゃんにも程があるよ


「…やっべぇなこれ、どうしようこれ。ここまでさくさくこれるなんて予想外すぎるんだけど。てかここに来る間忍に会わなかったんだけど。え?なにまさか忍いないのここ?本当よく落とされなかったなここ…」


てかまじやべー、どーしよ。偵察とかの話じゃないよー。もう普通に暗殺できるんだけど。暗殺じゃなくて普通に天井から降りても殺せるってこれ。
城の内部とかどこに誰がどういるのとか教えに1回戻らなくちゃいけないんだけど、もうこれ知らせないでさっさと大将首取ったほうがよくない?え?だめ?まぁ、毛利殿の策とやらが失敗するのも面倒なんで、しょうがない。面倒だけど1回戻りますか。


「…世間知らずの坊ちゃん並に馬鹿なんだろうなぁ」


つまらない戦になりそうだ。
そんなことを思う自分に嘲笑いを送りつつ、その場から消えた。



▽△



「…じゃあまだ私達が下克上をしようとしてることも知らないんだね?」

「普通に寝ておりました」

「本当に運がいいとしかいえませんね…」


さすがの毛利殿も苦笑である。本当本当、いくら金持ちだからってあそこまで無防備なのはさすがにいけない…というか、金持ちだからこそあそこまで無防備なのがおかしいのだ。もうこれは罠とか考えてもいいのだが、生憎現実はやさしくなかった。本当にそうゆう人間だったのだ。

…これなら別に普通に下克上おこしても大丈夫だと思いました。
むしろ僕等いらなくないかこれ?いなくてもぜんぜん大丈夫だと思うんだけどこれ?


「…ま、まぁもしかしたら秘策がある可能性もあるから、十分注意するように。」

「…そうっすね〜、僕は何すればいいでしょうか?」

「そうだね…大将を討てばこちらの勝利だけど、私や明智殿が敗走してしまっては土気にかかわるから免れないとね、勿論彩芭の主である長宗我部殿が敗走しても同じだ。」

「つまり護衛に徹しつつ武将を倒せと、いつも通りね。わかりましたよーっと。」


無双風に言えば勝利条件が大将と他武将の始末、敗北条件が無双キャラの敗走ってところだねぇ。さっきの言い分からすればガラシャの敗走は敗北条件に入ってなさそうだけど、ガラシャの敗走はまず明智殿の土気にかかわりそうだ。そんなことはしないと思うけど全部放り投げてガラシャ助けに行きそうだもんな…。

つーかもうなにこれゲームなら辛過ぎるよね、自分以外で4人守らなきゃいけないって。全員バラバラなところにいられると余計に大変だ。


「それじゃあ、さっさとお仕事といきますか!」

「道に迷うなよ」

「殿、俺はもう昔とは違うのだよ…ちゃんと目印をつけていけば大丈夫だ!」

「彩芭、それは威張って言えるものじゃないのじゃ」


…ガラシャ、そこはつっこまないでくれよ。これでもかなり方向音痴直った方なんだよ。たまに森とかで遭難しかけるけど、それでもかなりましになったんだよ。本当昔はひどかった。何回通っても城の構図とかわかんなかったりしたし。忍として致命的だったねあれは。印書きまくって怒られたこともあったなぁ。掃除が大変だった。

まぁそれからつまり誰にもわからない印ならいいのか。→そういや殿よく三味線の弦切るなぁ………!(ピコーン)

そんな感じで私の武器は糸となり誰にもわからないよう印をつけられるようになった。ついでに三味線の切れた弦も治せるというまさに一石二鳥とはこのことじゃね?法。
忘れてた。針は糸を止めとくためとかに使うよ。あと針刺すマッサージとかあったよね?それもなぜかマスターしちゃったよ。先っちょに猛毒塗っておいて暗殺するのもお手の物!みたいなー。


「とりま、さっさと行こうぜ」

「そうだね。…じゃあ、全軍。突撃!」


下克上の始まりなーり。ってか?




世間知らずの坊ちゃんにも程があるよ
(大将と家臣皆殺しにすれば)
(終わりなのさこの戦いは)


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