案外忍生活充実中? (8/31)





あ、やべぇ休暇昨日までじゃん!また給料減らされるー!と叫びながら帰っていった父ちゃん。俺とかすがを思っくそ放置していった。あやつの給料なんてなくなってしまえばいいと思ったのは内緒だ。

そんなわけで、今の里には俺の味方はかすがのみである。

まぁ実際嫌悪の視線を向けてくるのは多くも無く少なくも無い、といった状況だ。忍者は心を殺し感情を殺し、がモットーなので一々人の髪色なんかに感情を動かされていちゃ半人前もいいところ、らしい。
でも、確かに嫌悪の視線や陰口が多くないのはいいことなんだろう。これが村とかだったら確実に嫌われ者として石投げられたりしたんだろーなーと考えるとますます里にこれてよかったと思ってしまう。今の現状よりもっと悪い現状を想像すると今の現状がマシに思えてくるってとこがいいよな。ポジティブポジティブ。


だけど一言いいだろうか。
最近感覚が鋭くなってきたせいか、こういった視線にも残念なことに気づけるようになってしまったからわかることがある。というかあった。

無機質を見るような目が、きもちわるい。

忍としては完璧な目。でもそれはまだ前世の感覚が抜けてない(抜けさせる気はないのだが)人の俺からすれば全然駄目な目。この視線等に慣れて、その上前世の感覚というか正確を抜けさせてない父ちゃんは純粋に凄いと思う。これだけは俺も尊敬したいところだ。ぜひとも狂わないで壊れないで染まらないでそうゆう人間になりたい。


「今日は変化の術だ」

「はい」


この人はまぁ父ちゃんがいない間教えてくれる先生というかなんというか、まぁ臨時の先生とでも覚えておいてくれればいいと思う。名前は聞いた事ない。ないのかもしれないしあるのかもしれない。どうでもいいけど。


「潜入時に役立つ、必ず使えるようになれ」

「はい」


それから詳しいやり方を聞いて、一応やってみる。
イメージが大切とか言ってたな…イメージ、イメージかぁ…妄想はぶっちゃけ大得意だ。元オタクなめんなよ。
一体何になろうかなー、ポ○モンはやめておこう。失敗したと思われる。絶対思われる。

とりあえず無難に(?)父ちゃんになる事にしました。


「えいやっほい!」


ぽふん、と気の抜けるような音と共に煙がでる。煙が消えると先生的な人は微妙な顔をしていた。原因はちゃんとわかってる。

背が全く変わってないのである。


「…見た目は完璧なんだが…」

「…自分の身長より上にはなれないとか?」

「いや、確かに明らかに人間ではない大きさになることは無理だが子供が大人に変化できないこともない…はず。」

「返事が微妙です先生」

「いや…お前の年で変化の術は普通やらないから基準がどうもな…大人が子供になれないこともないわけだからその道理で行くと平気なはずなんだが…」


はい、つまり前例が無いからわからないと。ってばっかもーん!なんでそんな前例がないこと子供にさせてんの!なに俺実験台?モルモット?モルモットなの??というか俺本当優秀すぎないか?やべぇ前世じゃテストの結果必ず下位20番以内だったのに!(ぶっちゃけ引きこもってたから当たり前なんだけどね。逆に俺より下がいることに心底驚いた。)引きこもってたから体力無くて運動できなかったし、球技はノーコンだったし、強いて言うなら一番得意だったのリレーだけじゃね?体力無くてすぐへばってたけど足の速さなら結構早い方だった。決して早かったわけではない、早い方だったというだけの話だ。

まぁ、所謂俺は前世では酷い落ちこぼれだったわけなのだが。
今世は佐助の体のお陰なのか、それとも俺の秘められた能力だったのか、酷く優秀だ。


「まぁ…この問題は保留にしておく」

「はい」

「この後は毒薬の作り方と耐性の訓練。あと拷問な。」

「なにこれいじめ?」

「訓練だ」


いや、それはもういじめの領域です先生。家出したくなります先生。まぁ家出したら抜け忍として殺されちゃうみたいだから家出しませんけど、人間生に貪欲。中学んとき毎日のようにふと思ったときに死にたいって必ず思ってたけど実際死を目の前にすると生きたくなる。まぁ強盗来たとき怖いとかそーゆーのの前に死亡フラグktkrなんて思っちゃった俺はもう末期。実際刺された後も渾身の力を込めて強盗押さえつけておいた俺超かっこいい。あの強盗もう捕まったかな?あれで捕まってなかったら俺虚しい。

かなり思考がトリップしつつも俺は先生の後を追った。



案外忍生活充実中?
(リア充ならぬしのび…シノ充?)
(は?)
(先生、クサ充とシノ充とニン充どれがいいでしょう?)
(まずお前の言ってる意味がわからん)