だからといって頑張ろうなんて思いもしないけど (5/31)





あのあとイケメンという部類に入るだろう男に連れられ、俺は忍の里というところにやってきた。里に来る間に男の名前を聞いたところ、彼は現猿飛佐助らしい。任務の帰りであの森を通ったところ他忍に襲われて返り討ちにしたんだとかなんとか、

あ、ちなみに今仕えてる主はいるらしいのだが、給料上げてくんないから小遣い稼ぎで別な任務をやってたんだと。
「おい、そんなこと俺に教えていいのか。」とつっこんだら男は笑って「だってお前俺の主誰だか知らぬだろう?」といわれた。確かに。


つーか一ついいだろうか、こいつはまぁ所謂休暇貰って別な仕事していたわけなんだが、そんな男が適当にそこらにいた子供ひっ捕まえて忍に仕立て上げるなんてこと、していいのだろうか?いや、いいんだろうなきっと。なんかここ俺がいたところじゃないっぽいし、忍の里とか言うくらいだし、NA○TOか?忍○まか?と思ったが俺の記憶内ではどちらにも猿飛佐助なんて奴は出てきてない。たぶん。いやごめん、NA○TOとか最初の方しか知らないんだ。忍○まはもう見てないんだ。もし出てきてたとしたらすいません、俺のせいじゃなくて、管理人のせいなんで。本当すいません。先謝っておきます。

まぁそんなわけで俺が唯一知る猿飛佐助と言ったらあのなんちゃって戦国時代、戦国BASARAしかないのだが…
ちらりと男の顔を見てみる。うん、かすりもしてない。


これなら俺のが似てたりしてー、髪とか橙色だしー?と思っている間に、どうやら目的の家についたようだ。


「これから長と話をする、付いて来い」

「りょーかい」


うわあああ本格的!いや本当のことだから当たり前なんだけど、むっちゃテンション上がる!!
そんなことを内心に秘めつつ、表情はポーカーフェイスを心がけていた俺だった。



△▽



ぶっちゃけ長さんは前世での、まぁもうとっくの昔におっ死んだけど、じいさんにそっくりなじいさんだった。


「長、只今帰還しました」

「ふむ…で、成果は」

「無事に…帰ってくる途中他国の忍に会いましたが、自害しました」

「そうか…で、そのものは?」


いや、あれはお前が全部殺ってただろ絶対。
と、思っていると急にじいさんの視線が俺に向いた。急なことで少したじろぐも小さく頭を下げておいた。


「こやつは帰還途中拾った子です」

「なぜ連れて来た、ぬしの跡継ぎにする気か?」

「はい。一応そう考えております。」

「ふぅむ………。」


品定めをするようにじいさんは俺のことをジロジロと見てくる。いやぁそんな俺がイケメンだからって惚れちゃやーよ☆…すまん、正直今のはうざかったきもかった。自分でやって鳥肌立ったもん。
思考がトリップしている間に品定めは終わったのか、じいさんの視線はもう現猿飛佐助である兄ちゃんの方へ向いていた。いつの間に終わってたんだろう。


「…二日後、そのものが忍として相応しいかどうか定めさせてもらう。」

「試験、ですか。」

「そうじゃ、簡単なことでいい。相応しいか、どうかということだけだからな」

「承知」

「わかっているだろうが、わしはぬしの為を思うて言っている」

「承知しております、長」

「…いい結果を、望んでいる」

「はっ」


…どうやら、会話は終了なようだ。
いやー妙に緊迫感と威圧感のある会話だったなーチキンな俺には答えたぜー…。ポーカーフェイスは崩さず、兄ちゃんが立ち上がったのを見習い俺も立ち上がる。

最後出て行く前にとりあえず一礼しておいた。マナー大切!なんてことは言わない。だって俺今まで職員室から出るとき頭下げたことなんてねーし、むしろ先生に頭下げたことねーし!
威張れることでは無いが、でもそれはそれ、これはこれ。である。


とりあえずわかったことと言えば、兄さんは俺を跡継ぎにしようとしていて、俺はこれから頑張らなきゃいけないということだった。



だからといって頑張ろうなんて思いもしないけど
(とりあえず…今更だけど名前必要だよな)
(本当に今更だなー)
(んー…まぁ今だけだしな、俺が適当につけとくか)
((変な名前付けられませんように変な名前付けられませんように…))