任務帰り橙色を見つけました (4/31)





依頼の帰り道、俺は森を走っていた。
いや、今は走っていないのだが


「ひいふう…5人か」
「…………(チキッ」


無言で苦無を構える敵に、俺は心底がっかりする
あーあ、さっさと帰りてーのになぁー…

気づかれないようひっそり溜息をつく。
だがまぁ、5人もいるのだがらさすがに俺に隙ができたことに感ずいて物凄い勢いで襲い掛かってくる。1人が先に突っ込んできて、ワンテンポ遅れて他4人も襲い掛かってきた

俺の口が、笑っていることも気づかずに。


――シュパンッ!

物凄い勢いで襲い掛かってきた敵を、俺はその倍の速さで切り付けた。他の奴も同じく、同じ速さで、同じように切り付ける。
さすれば急所を狙った瞬殺コースだったんで、血が吹き出るだけでことは終わった。

さて…全員殺しちまっけどどーしよ。

一人残すの忘れてた…しまった。なんたる失態…。
ぶっちゃけかなりへこんでいると、背後から声がした。
いや、さっきからなんか近づいてくる気配があったのは気づいてたんだが…害なさそうだったから放置してた。

たぶん、てか絶対100%そいつだろーなーと思いながら首だけそちらを見れば、遠いながらも目があった

そこにいたのは、橙色した小さな少年だった


少年は少し固まったあと…凄い勢いで踵を帰し走りさっていった
…はやっ!
あれ絶対子供のだせるスピードじゃねーだろ。

…そーいや長がそろそろ跡継ぎ産めだとかなんとか煩かったよーな…
…あの子供、こんな森にいるっつーことは捨て子とか…だよな?

ニヤリと吊り上がった口元を隠しもせず、俺は橙色を追いかけた。



任務帰り橙色を見つけました
((アワアワしてるなー、子供可愛い)…おい)
(ひゃい!?)
((ひゃい!?だって超かわいー!)…お前、忍にならないか?)
(あ、はい。…て、え?)