野生っ子生活 (3/31)
住めば都、というのはあながち本当だったようだ。 最初はもう森とか死ぬだろこれ無理じゃねこれ死亡フラグバリバリだぜおい!とか思っていたが意外と慣れれば全然平気なもんで、
川の場所も木の実の場所も覚えたし、動物は基本友達だし、どことなく体力と身体能力が上がっていたおかげでいろいろ無事ですんだ。
結局わかったことは俺が男でずっとこの森に住んでいる、それくらいだった。 親友がいたら真っ先にプロポーズしに行くのに…と少し思ったことは内緒だ。いや内緒にしなくても全然いいのだが。
近くにいた黒い鷲だか鷹だが、まぁなんか鳥さんをなでつつ、木の実をとりに行くため歩く 普段はこのまま歩いてまっすぐ進んだところにあるのだが…今日はどことなく様子が違った
なんだ、この酷い鉄のにおいは。
反射的に手で口と鼻を押さえつつ、その場にとどまる。
どうしよう…超行きたくねぇんだけど、危ねぇフラグびんびんたってるんだけど! 内心でそう叫ぶも、木の実はここをまっすぐ行った木にあるんだ。今とって帰らないと暗くなっては危険だし、第一友達も待たせている
酷く嫌な予感がするが、というか嫌な予感しかしないが、俺は覚悟を決めてまっすぐ進んだ――
「…うそ、だろ?」
草を掻き分けて視力を酷使してみてみれば、あれは紛れもない死体。 その死体の中1人だけたっている人がいる。あれは、きっと…
「さつじん、しゃ」
言葉にするとともに背中に寒気がはしる どうやら言葉を出したせいでたっている奴にばれてしまったらしい
自分の失態にクソッ!とイライラしく舌打ちをし、ダッシュで逃げる。
早く離れろ早く離れろ早く離れろ! 荒れる息をも無視し、とにかく走る。こう見えても引きこもる前…つまりは小学生のころなのだが、俺は足が速かった。だてに逃げの有無とよばれていたわけじゃない、体力なくなってからは遅くなったが体力のある今じゃ関係ないぜ!と言わんばかりにとにかく走る。
走って走って走って走って走って走って走って、ようやくついた場所 俺の、寝床である。
後ろを振り向くが誰もいない。まぁあの遠さと俺の足の速さならすでに見失っているだろう。 乱れる息を無理矢理整え、木にもたれかかる。
ああ、ひどく、つかれた…
水分が欲しい。だが川は向こうに行かないとない。 今は動きたくもないのでしぶしぶ諦め、なんとなく上を向いた。
「………。」
向いて、しまった。
「…うっそー」
先ほどの奴は、木の上に立ってこちらをガン見していた。
野生っ子生活 ((ええ!?なんでいんの!?つかなんで追いつけられた!?)) (……………) ((やっべ死亡フラグが回避できない!どうしよう!)) (…おい。) (ひゃい!?) (…お前、忍にならないか?) (あ、はい。…て、え?)
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