大人の揉め事子供入りいる隙も無し (23/31)
どうやら近々戦があるみたい。家の中は女中さんを筆頭に家臣達も慌しく、忙しそうだ。 昌幸様も父ちゃんも忙しそうだった。才君と父ちゃんに話を聞きに行ったら、戦事体はそんな難しい相手ではないらしくいいんだが、なんにせよ戦だから準備が大変みたいだ。俺様と才君、そして若様はまだ子供だから大人の邪魔にならないようお部屋で遊んでなさいって父ちゃんが頭を撫でながら言ってきた。いや、若様にやるのはそれでいいんだけど俺様もう成人済みよ?むしろ成人してから結構たってるよ?さすがに恥ずかしいんだけど。
ま、そんなわけで? 俺様と才君と若様は只今絶賛お勉強中です。
「…どうしよう才君、俺様全くわかんない…」
「…文字は、」
「読めるよ!…簡単なのなら」
「………はぁぁ〜」
酷く深い、本当に深い溜息をついた。悪かったな!こんなミミズみたいな文字読めるってのがおかしいんだよ!!誰か現代文に変換してくれ! 若様に勉強を教えるはずがなぜか俺様が教わることに。つか才君頭いいねきみ。俺様本当才君の友達でよかった。てか昔から俺様の回り頭いい子ばっかじゃね?いや、俺が悪すぎるのか…
「才蔵!ここはどうなるでござるか?」
「ここは、例えばこうしたりとか…」
「…ここはこうのがいいんじゃない?」
「おおお…!さすけももじはよめぬのにできるのだな!」
「若様、人の心早々にえぐらないでくださいよ…」
俺様だってやればできるんだよ!文字以外!! その文字ができないのが致命的なのだが、致し方ない。俺様だってやってればできるようになるって。うん、文字ぐらい読めないといろいろだめだからね。
「あ、そーだ若様。さっき女中さんがお八つ準備してたから持ってくるねー」
「おお!もうそんな時刻か!」
「才君若様よろしくー。…あ、そうそう才君。才君の分もちゃんとあるからね?」
「………もう何もつっこまないことにする」
俺様だって、驚いたよ?女中さんも家臣達も、忍と仲良くする若様や昌幸様に嫌悪の視線しか向けてなかったからね。いや、ごめん少し訂正。女中さん達は最初疑問に思ったくらいですぐ受け入れた。いまだ受け入れないのは家臣達だ。だから俺様は女中さんに「さん」はつけるけどたかが一家臣如きに「さん」はつけない。いや、そんなこと言ったら俺様もただの草なんだけどね。
女中さんにお団子とお茶を3人分貰って、帰りは普通に歩いて帰った。 前行くときと同じく瞬間移動?というか走ったらすっころんだ。団子は無事だったけどお茶は見事に全部こぼしたぞ!
別に、どじっこじゃないんだからね!?
大人の揉め事子供入りいる隙も無し (…あれ、これ味的に父ちゃんじゃね?あいつ忙しいっていいながら何団子作ってんだ) (だからちちうえがさきほど佐助とけんかしていたでござるか) (…俺はもう何もつっこまない、つっこまないぞ…!)
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