あいまみえる若き虎 (12/31)





「いよっと!完成!」

「いや、俺はもっと男前だろjk」

「お前はこんなもんだまだお」


まだお酷い!と叫んでる父ちゃんは放っておいて、俺はやっと完成した変化の術(父ちゃんVer,)を確認してみる。うん、いいできだ。さすが俺。
かすがも同じくらいの背格好の人ならできるらしい。この前俺が2人いたときは思わずふいたけど今思えば1人は髪の色俺より明るかったなぁ…もう橙というか、黄色に近かった気がする。ていうか金色?パツ金?かすがの髪金髪だったな、そのせいか。

まぁそんな話は置いといて、最近は戦も殺しもそんな根詰めてやらなくなった。父ちゃんが長にかけあったとかなんとか、申し訳ないと思うけどまぁ父ちゃんだしいいか!と開き直るようになってしまった自分の進化(…退化?)に脱帽。


「つか師匠、これ凄く疲れるんだけど」

「当たり前だろ、自分より大きくなるんだ。その文イメージも綺麗にできないとそうはならないからな。」

「だからまず大人佐助を思い浮かべろっつったのねあんた…」


大人佐助(父ちゃんじゃなくて、アニメにでてくる方な)を簡単に想像し、あとは見た目を父ちゃんに似せただけ。これで身長の想像はカバーできるからあとは簡単なんだとか。まぁ習うより慣れろ方式でやらされたんで詳しい理屈とかは知らない。実践派なんだ俺。そういやそろそろ一人称俺様に変えておくべきかな?いやまぁ結構普段普通に使ってるからいいか。今更変えなくても。


「ああ、そういや忘れてたんだがな?」

「忘れんなよ。んで、なに?」

「今俺の仕えてる人の息子さんにお前会わせることになったから」

「へぇ、そうなん。
なんて言うと思ったかボケェ!」

「がふっ!…クッ、鳩尾に一発…やりおるな、貴様…!!」

「もう一発入れてやろうか」

「すいません」


ボキボキと手を鳴らすと、すぐに頭を下げる父ちゃん。息子に頭下げてどうするよ父ちゃん。なんか優越感に駆られちゃうじゃないか。ちゃんと俺に合わせて遊んでくれてるってわかってるのになぁ。


「で、なに?俺その息子に仕えるの?」

「うーんまぁ、そうゆうことになるかなぁ?」

「曖昧ワロスwっつーと真田…いや、弁丸だっけ?」

「そうそう。なんで知―そうか、お前この世界知ってるんだったな」

「夢小説巡ってると勉強できない俺様でも覚えちゃうんだなー、これが」

「んじゃ俺の仕えてる人の名前もわかる?」

「いや、全く。弁丸の父ちゃんなのはわかっけど名前忘れた。」

「忘れんなよな。」

「用件伝えるの忘れてた父ちゃんにゃ言われたくねぇ」

「ごもっともで」


それからかすがはどうするのかやら、いつ行くのやら、真田家についての情報を軽く聞いた。さすがに息子だからって全部は教えてはくれない。いや、全部教えてもらっても困るんだが。

そうか、もうそんな時期なのか。面倒だなぁ。
そんなことを考えた。



あいまみえる若き虎
(猿飛佐助には悪いけど)
(俺は俺の忍道ってのを貫かせてもらうぜ)