黒子/男主と黒子 @
2013/04/02 09:45(
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※男主
※名前=主人公/ひいろ固定
※急にはじまり急に終わる
※急に話が飛ぶ
バッシュが擦れる音も、ボールがゴールに入る瞬間も、汗が飛び散る世界も、好きじゃなかった。
努力して、頑張って、スタメン入りして、チームで勝利して。
そして、それからプロになることを夢見て、またトップを目指す。
そんな世界が、好きじゃなかった。
「…あ」
ペキリ、渇いた音を立てて折れた部品と部品をくっつける突起部分を見ながら呆気ない声を上げる。
入ったまま、中で折れてしまった。けれど中身だったらいくらでも直す方法はある。接着剤をつけてもいいし、粘土などを使ってもどうにかなる。取り出せなくても直す方法は、沢山あるんだ。
けれど、俺は今まで作っていたプラモを机の上に放り投げ、あーぁ。と渇いた声と共に椅子の背に全体重をかけた。
「どうやらプラモは俺の特技にならないらしい」
「諦めるのはっえーよ主人公!」
「………………」
「…小金井少年、通訳」
「なんでもすぐに特技にならないんだから、ひとつを極めた方が効果的…その通りだ水戸部!大体主人公はあっちこっち手出しておきながら、全部途中でほっぽり投げるから特技にならないんだよ!」
「えー…」
水戸部の言うことは、確かにその通りだと俺も思う。
けれど、そんな何かを極めるなんて面倒くさくて仕方ない。ひとつのことに熱中するということが、できないのだ。好きなものはずっと好きだけど、そうじゃない。
読書が好きだけど、波がある。ずっと一日中本を読んでるときもあれば一回も本に手をつけない日だってある。それと同じ。何かひとつにずっと集中するということができないのかもしれない。
これが特技だと、そういえるものを探し始めてはや何年。
未だに俺の特技は見つからないらしい。
「主人公も部活とか入ったらいいんじゃない?」
「部活とか向かないんだよなぁ…」
「………………」
「通訳」
「中学時代入ってた部活は?だって」
「えー…同じのやんのってつまんねーし。大体飽きて途中でやめてるし。」
「うっわー…主人公らしいや。なんの部活だったの?」
「…書道部」
「似合わなッ!なんで入ろうと思ったんだよそれ!」
「あー気分?」
「…………………」
「そんな…疑問形で聞かれても…なぁ水戸部…」
***
「黒子君じゃん」
「…主人公、先輩」
「同じ高校だったんだー久しぶりー」
「は?おい主人公、お前黒子と知り合い?」
「…誰だ、っすか」
「主人公先輩なんでここに、」
「たんま。待てお前ら。そんないっぺんに答えらんね。とりあえず、自己紹介だけな。俺は主人公。2年だ。今日バスケ部に来たのはただの手伝い。気にしなくていーよ、練習がんばんな。じゃ!」
「いや待て俺らが気にするわァ!」
「…ないわー日向君空気ヨメし。今の流れ的に、ほら、回避したいって言ってるようなもんじゃん?気づけしーだからお前メガネなんだしー」
「メガネ馬鹿にすんなァ!!そうじゃなくて、なんでオメーは黒子と知り合いなんだって聞いてんだヴォケ人の質問にゃ敬意もって答えやがれクソか!!!」
「日向ちゃんこわーい、お兄さん泣いちゃいそー」
***
以前黒子の設定だけで書いたやつの、男主のお話です。
ちょっとかいつまんで書いただけなので中途半端で終わってますが。
続きといいますか、かいつまんで書いただけのをもうひとつ。急に話が飛びますが。
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