小ネタ 2 | ナノ

BSR/ヒトがオニになるまで。
2016/07/05 22:07(0)

※俺何忍の別sideヴァージョンのような残骸
※主人公を抜いて、物語上では俺何忍と直接的な関係は一切ありません
※昔書いたものをサルベージしてまとめただけです
※未完



(設定)
!幸村成代りです
!なので幸村はでてきません
!♂→♂です
!幼少期から始まります
!キャラがアホだったりします



稀有
(変換前:稀有/きゆう)

享年:18歳
職業:高校生卒業する予定だった
容姿:普通すぎる
性格:頭はいいけど馬鹿。中学生のノリ。
備考:家事は任せろ!
   原作知識そこそこに有り

え、ちょ、確かこれ転生トリップだよな?まさかBL展開とか?いやいや俺断じてホモじゃないから。あいつが望んでるような展開になんかならないからな!!
とか言ってるような子です。



→猿飛佐助
友達というよりは悪友かもしれない。
甘味好き。少し乙女かもしれない。

→真田昌幸
父上。なんか熱い。むっちゃ熱い。お館様関連になると酷く熱い。


(1)
もうすぐ社会人だよ。だけど親の脛かじって生きてたいよ。働きたくないよ。自宅警備委員やってるから一生家にいさせてお願い!


…という意を伝えたのにものの見事に却下されてお買い物に出された俺、#NAME1#です。

酷いよね、却下した上に買い物押し付けるとか。なにこれいじめ?とよく妹が言っていたセリフを言いたくなる。言わないけど。文句も言わず引き受けた俺も俺だと思うけど。


「あと買い忘れは…あ、そういやあいつの飴切れるっつってたな…買っておくか。」


糖分がないと生きていけない妹を思い出し、飴を買い物カゴに入れる。確か1週間前に買ったはずなんだけどなぁ…1週間もったことを褒めればいいのか、1週間しかもたないことに嘆けばいいのか。

そんなことを考えながらレジへと向かう。
あぁ、そういえばジャンプ…は、いいのか。あいつが帰りに買ってくるって言ってたもんな。


会計も終えて、バッグに荷物を詰めて、スーパーを出て、交差点に差し掛かったときに唸るポケット。ああ、電話だ。

誰だろう、と思いながら電話に出た。


「…あ、もしも」

『…!……、…!!』

「…?」


叫び声、と怒声。何を言ってるかよく聞こえない。物の倒れる音や悲鳴や何かの割れる音も聞こえる。一体なんだ?と思いながら発信先を確認してみれば――あいつからの電話だった。


「、は?」

『!〜〜!!…!!!!…!…、……、…!』

「え、あ、は?ちょ、え?なにこれどうしよう。只事じゃないっぽいんだけど。え、どうしよう?切っていいのかなこうゆうときって?警察?母さんが先?え?え?どうしよう。」


かなりてんぱっているのがわかる。いやでも妹からの着信からこんな怒声やら叫び声やらがしたら誰だっててんぱると思うんだ。うん。しかも叫び声が妹ならまだしも怒声が妹だからもうお前何したんだって話。叫び声どっからどー聞いても男なんだけど。え?なにお前男襲ってんの?え?リアルに?お前3次元の男に興味ないんじゃなかったっけ?あれ?

ぶつり。
俺が切ったわけでもないのに切れる音。きっと反動でかかって反動できれたんだ。とりあえず今のことを、誰かに教えないと…

震える指ですぐに母さんに連絡をとる。
早く早く早く!早くでてくれ!そんな思いを込めながら電話がつながるのを待った。


『― −――もしもし?』

「あっ母さん!」

『どうしたの?なんか特売でもあった?』

「ち、違う!あいつが、なんか人襲ってるから早く迎えに行ってやって!」

『…はぁ?』

「だから、あいつがッ―――」


コンビニで何かしでかしてるんだってば!

そう叫んだあと、なぜか携帯が俺の手から離れて、ぜんぶまっくろになっていた。




まっくろけしき
(―――あれ?)
(いま、なにがあった?)



(2)
「―――あれ?」


目が覚め、布団から起き上がる。あれ、ていうか俺いつの間に寝たわけ?寝てないよね?ええと、買い物してーお店出てー…ああとあいつから着信があって、あまりにも普通じゃなかったから母さんに電話して…んで、してる最中に確か…ああ。そうか。

俺死んだわけか。信号待ちしてる最中に車突っ込んできて。

うわあ呆気な!とか思いつつも、なら死んだのになんで布団の中にいるわけという話で…っていうかなんでこんなにこの部屋広いんだ?床畳だし。オール畳だし。扉襖だし。木製だよ木製。全部木製。さすがにここまで完璧な木製は神社以外ではじめてだ。


「…はっ!これぞジャパニーズソウル!」


ニート魂ではなく古きよきを重んじて大和魂を思い出せという魂胆か母さん!
的外れもいいところなことを思いながら布団から立ち上がる。半分以上てんぱってるせいだから気にしないでくれ、というか…ん?

下を見る。床だ。上を見る。天井だ。左右確認。特に問題はない。
高さ、以外は。


「…は?」


…ええと、おかしいな。俺大きくはないけどそんな小さくはなかったはず…そう、平均。平均くらいはあったわけだ。つまりそこそこに背は高いわけで…こんな、少し屈めば床に手がつく高さなわけが、ないわけで。

もしかして…!と思いさっと顔を青くして体中を確認してみる。
見えるところは見て、触って、柔軟とかしてみちゃったりして…!


そして絶望した。
これ…完全に子供の体じゃん…。

理解したせいか最近の記憶がうっすらと蘇ってきやがったぜちくしょうめ。輪廻転生とかどうしろってんだ。

てかなにこれ?まさか俺お坊ちゃん?金持ち坊ちゃん?こんな豪邸っぽい古きよきの建物に住めるくらいの坊ちゃん?それともヤクザ?なんにしてもいやなんだけど。てか買い物した荷物どうしよう…絶対あのまま放置…あっ卵も買ってたのに…割れてるだろ絶対…今度母さんに謝ろうそうしよう。



だんだん思考が現実逃避じみてきたのを感じつつも、俺は女中さんが呼びにくるまでしばらくorzの体制でいた。



輪廻転生
(弁丸様、朝餉の時刻ですよ)
((あさげ?あさげの味噌汁?そりゃあさりだ!))



(3)
なんか色々わかったことがあった。
とりあえずここ、俺が住んでたとこじゃねぇ。


「おや弁丸様、おでかけですか?」

「あ、はい。…じゃない。おう?うむ?あぁ?父上はうむと言っていたからうむというべきか…」

「ふふ…なんでもいいんですよ弁丸様。でも下々の者に敬語はやめた方がいいかもしれませんね」

「そう、だな…。うむ。少し体を動かしに行ってくる」

「はい。八つ時には戻ってくるんですよ」

「おう!」


女中さんに言葉を返し、また廊下を歩く。体が縮んだことにより凄く時間がかかるがこれも鍛錬の一部だと思うとあまり苦にならない。いや、やっぱり手足は長い方がいいんだが。

さて、先程の話に戻そう。
ここが俺の住んでたとこじゃねぇ、と思うのは先程の会話で理解できるように現代では希な着物、完全和風な家、身分制度などなど。あの時代とかけはなれてるのは目に見えてわかりきっていたことだ。
名前からしてわかるように俺は真田弁丸、真田幸村の幼名が弁丸だったからこの仮説は何も間違っていないだろう。これで間違ってたら俺泣くけど。

ここは過去、しかも戦国時代。

それが、事実。


「……あいつは、大丈夫なんかなぁ」


ひっそりと庭に咲いていた花を見ながら呟いた言葉は、誰にも届きはしなかった。



あなたは今平和ですか?
(警察に捕まってねーといいけど…)


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