小ネタ 2 | ナノ

BSR/私得特殊設定学園都市
2013/12/27 22:36(1)

※舞台はBSRですが、他夢主大集合しております
※特殊設定
※急にはじまり急に終わり急に飛ぶ
※凄い私得





私の住む世界には、学園都市というものが存在する。その都市の噂は様々で、要塞都市だとか、出たら二度と出てこれないとか、監獄だとか、言ってしまえば半分以上が悪いものをしめている。選ばれたら最後、もう二度と外には出てこれない。けれどその噂と同時に流れるものが、選ばれたら世界の成功者となれるというもの。選ばれたら出てこれないのに、世界の成功者とは、一体何事なんだろう?疑問はあるものの、まぁどうせ、自分には関係のない世界だと切り捨てて過ごしていた。気にしたところで、関係のない世界。そう、思っていた。


―――拝啓、主人公様。不躾にも突然のお手紙、誠に申し訳ありません。此方婆娑羅学園の一教師でございます。此度のご連絡は、貴方様の学園都市入学許可が降りたため、こうして筆を取らせて頂きました。全寮制であります故、つきましては付属の書類をご確認の上ご希望を示し、付属の封筒に入れ封を締め、何もせずポストへとお入れくださりますようお願い申し上げます。それでは、入学式にてお会いできることを待ち望んでおります。敬具、私立婆娑羅学園教師・片倉―――


堅苦しい言葉で、文字どおり筆で綴られたその手紙。悪戯なんじゃないかと思ったけれど、印書はまさしくあの学園都市の校章そのもので。よくはわからないけれど、ただの判子でもなさそうなところから余計本物らしくそれは存在していた。
入学許可と書いてあるが、私は入学届けを出した覚えもなければ、受験をした覚えもない。それに私はもう既に県立の高校の入学が決まっている。というか、現に通っている。毎日をそこそこ楽しみながら、私は今の高校に、通っている。それなのに入学式とは、一体どういうことだ。同意書でもなんでもなくて、寮をどこにするか・どのような学園かを示してあるその付属の書類は、どう見ても拒否という二文字を考えて作られていないもの。いいや、拒否させる気がないものと言った方がいいかもしれない。どちらにせよ、入学許可とは形ばかりに、強制入学でしかないのだ。これがコピー文で作られていて、本名も入っていないような印刷しましたよ感バリバリならば「ああ間違いなんだな」と思えたけれど、手紙は和紙だし、墨の香り漂うその手紙は、どう見ようとも手書きでしかなかった。

「………どうして、」

私なんかが。
今更という言葉と同時に、なんだかムカついて、思わず手紙を握り締めた。

ぐしゃり、と音を立てて潰れたその手紙は、それでも私の入学を取り消してはくれなかった。



***



やっと出来た友達も、ずっとつるんできた友達も、大好きな家族も、暖かい家も、生まれてこの方離れたことのない街からも、私は出ていなかくてはならない。離れなくては、ならない。離れたくない。離れたく、ない、けれど、離れなくてはいけない。だって、この許可証は、強制なのだ。逆らったらどうなるかなんて、わからない。わからないけれど、だからといって、逆らってみる気になんて、なれなかった。

「…入学式の日が、処刑日みたい」

自虐に笑って、思わず泣きそうになる。入学式という三文字が華々しいものには聞こえなくて、処刑日と言われた方が、まだ諦めがついたのかもしれない。たかが、噂。されど噂。正直、あの学園から出てきた人の話を、私は聞いたことがなかった。あの学園がいつから建っていたかは記憶にないけれど、気づいたらあったあの学園。卒業生はもう出ていてもおかしくないはずなのに、私は、私の周りも、誰ひとりとしてあの学園の卒業生を見たことがなかった。それが余計、拍車をかけている。怖い。あそこへ踏み入れなければいけないのが、怖い。なんとなく、それだけじゃない気もする。みんなは怖がりすぎだというけれど、そうじゃない。もっと身にしみた何かが、ぞわぞわと胃からこみ上げてくる恐怖が、日にちがすぎるたびに私を襲うのだ。行きたく、ない。行きたくない。あんな怖いところ、あんな、恐ろしいところに、行きたくない!


 ―――あんな恐ろしい奴らがいるところになんて!


「、あれ?今、私、何考えてたっけ…?」

…まぁ、気のせい、かな。
あー入学式、もうすぐかぁ。嫌だなあ。準備めんどくせー…。



***



入学式前日に、お迎えが来た。黒くて大きな車に乗った男の人は、手紙の送り主である教師の片倉先生らしい。わざわざ教師がここまでやるのかと思うけれど、それだけあそこの学園は、きっちりしているのかもしれない。前もって準備していた荷物を持って、挨拶をする。その際に確認として今まで過ごしていた高校はどうなるのかと思えば、全て学園側が担わってくれるらしい。もう払ってしまった入学料等も全額返金してくれるらしい。どうしてそこまでして、私ごときを入学させるのか。学園の考えることは、わからない。

「じゃあ、行ってきます」

見送ってくれた家族と、駆けつけてくれた友達に手を振って車に乗り込む。そっと頭を下げていた片倉先生は、案外、見た目によらずいい人なのかもしれない。そう思った。

 ―――そんなことは、ないのだろうけど。


「…?」
「? どうした、忘れ物か?」
「あ、いえ、なんでもないです」

早々に心配をかけてしまった。今一瞬、声がしませんでしたか?なんて、聞けるはずもない。
何を言っていたかは忘れてしまった。



***



ピピピピピ、ピピピ。ぱちん。
中途半端なところで止まる電子音。ふわ、と欠伸をこぼしながら布団から起き上がる。時計を見てみれば、まだ入学式が始まるまでには時間があった。
ベッドから降り、ふと視線を部屋を一周するように回して、溜息をつく。夢ではなく、本当に来てしまったと実感した。

「…本当、豪勢なんだけど…居心地悪いなぁ、ここ」

窓の外を見てみれば、綺麗に広がる青い空と共に目に映る、色素が消えたかのような真っ白い巨大な壁。ここの都市を切り取るようにぐるりと一周する白い壁は、まるでどこかの漫画の世界にも出てきそうなほどに大きな壁だ。けれどなぜあの壁だけ、色をなくしたように白色なのか。微妙なセンスが私にはわからなかった。あの壁のせいで、余計に居心地が悪い気もした。



***



入学式は、想像よりも簡易で、そして短かった。どうやら始業式も兼ねているみたいだったから人は多かったけれど、それでも、短かった。ぞろぞろと帰る在校生を見送りながら、残った人たちは書類をもらったり、後片付けをしていたり、なんだかわらかないけど居る人もいる。よくわからないなぁ。そう思いながらも気にせず、もらった手紙に記された場所へと行くことにした。

「…無属性、主人公。」

簡潔に書かれたその書類。書類というか、手紙と言った方がいいかもしれない。まぁ手紙としての役割さえも果たしていないけれど。大体、無属性とはなんなんだ。クラス名じゃないのか、普通。ぶちぶちと文句を言いながらも、ここでぼーっと文句を言っていても意味がないので、ひとまず歩きだすことにした。

…教室の場所も、いっそ言ってしまえば学校構造も知らないから、迷子になる未来しか見えなかった。



***



「あれ、新入生ちゃんじゃーん」

軽快な声が飛んできたのは、大体私が歩き出して10分は経った頃だった。明らかに迷子になっているらしい自分を自覚していたので、正直飛んできた声に安堵してしまったのは仕方ないことだと思う。
声のした方を振り返れば、同い年くらいの女の子だった。へらへらと手を振ってくる彼女に思わず手を振り返せば、そのまま彼女は私の方へと寄ってくる。

「ハジメマシテ、新入生ちゃん」
「初めまして…主人公、です。貴方は?」
「んー?俺様のことよりも、ねえ、新入生ちゃんってばどこ所属なの?」

にこにこ、と有無を言わせぬ笑顔で聞いてくる彼女に少し足が後ずさった。なんなんだ、この女。一人称が俺様なことに関しても少し思うところがあったけれど、なんだか、微妙な雰囲気だ。
だからといってもここで彼女を手放すことなんてできる余裕のない私は、素直に先程もらった紙を彼女に見せる。彼女はそれをちらりと視線で読み上げたあと、「ふーん」と声を漏らした。

「あの、なにか…?」
「いやぁ、そっかそっか無所属か。俺様と一緒ちゃんか。」
「えと、貴方も?」
「イェイ、俺様もアンタと一緒の無属性だよ。言っちゃえば同じクラスだよ。」
「へ、そうなんですか?」
「そうそう。てか無属性ってクラス一つしかないから。学年ごとに別れてはいるけどね。」
「へぇー…」
「新入生ちゃんてば見たところ、来たばっかっしょ?新人ちゃんでしょ?つかぶっちゃけ迷子っしょ?」
「う、」
「当たったーイェイ!俺様とお揃いじゃんどうしよう!」
「そうですね…、って、え、嘘貴方も迷子ですか。在校生でしょう。」
「ここ広くてさー迷うよね」

あはーどうしようねー本当ー、なんてけらけら笑いながら言う彼女はどう見てもどうしようねなんて思っている顔じゃなかった。一発その顔面ぶちかましたろかと思えたけれど、入学早々そんなことをしでかすわけにはいかない。第一、聞いたところクラスメイトと言う彼女相手にそんなことをしてはいけない。ぐっと拳を握りしめて、やり過ごした。

「あ、ついでに言うと授業あと五分で始まるんだけどどうする?」

………やっぱり一発ぶん殴ってもいいですか。



***



ガラリ、だいぶ遅れてクラスの扉を開くと、そこにはいうほど多くない人数が席に座っていた。けれど見た感じ、このクラスの新入生は私だけのようだ。これは気まずい。

「おー、無事見つけられたか」
「先生、もう彼はクラスから出てはいけないようにした方がいいと思います」
「さすがにそんな拘束はできねぇわ」
「というか嫌われの旦那はもう少し俺様に優しさを、」
「二度と迷子にならないなら優しくしてやるよ」

はあ、と溜息をついて自分の席へと戻っていく彼を思わず視線で追う。パタン、と音がしたと思って思わず振り向けば扉を閉めて笑っている彼女がいた。

よく見れば、全員、私を見ていた。

「…あの、なにか、」
「ああいやごめん、なんでもないんだけどさー、なんでもないんだけどー、でも僕は気になるなーって」
「結局気になってんじゃねぇか、それ」
「えー、だって気になるよね?ね?」
「ええと、まぁ、そこそこには…」
「無理に同意させるのってどうかと思うよ」
「えぇ、俺が悪いの」

女の子が喋るのをきっかけに、男の子がツッコミをいれて、また別な女の子に同意させて、そしてさっきの彼が言葉を挟んで、嘆く女の子。よくはわからないけれど、みんな、仲が良さそうだ。



***



「改めまして、俺様は猿飛佐助!ちょっと同学年の闇属性クラスに同じ名前いるけど気にしないでねぇー?」

へら、と笑う彼女にどう考えてもその名前は似合わないと思った。同じ名前いるけど気にしないでね、って気にするに決まっている。けれどそれ以上はいう気がないのか、さっと次の人に移り変わっていた。

「…どうも、僕は無人。生憎『彼女』以外に興味ないから。」

それだけ言って席に座る。リア充なのか貴様爆発しろ、とは思わないでおく。なんだか彼はそういう感じじゃないような気がした。気がしただけだけれど。

「あー無人のことは気にしなくていいと思うよ、あいつゾッコンさんなだけだから。えと、僕は彩芭!ま、殿ここに居ないし、新人さんの頼みごとくらいなら聞いてあげるよ」

殿、とは誰なんだろう。だいぶ時代誤差な言語だ。けれどまぁ頼み事を聞いてもらえるのは少しありがたい。あとで学園の地図でもないかだけ聞いておこう。

「ええ、次私なの…えと、沢田月奈です。人間です。よろしく。」

…斬新な自己紹介だ。え、てか、人間ですって何?何かあったのこの子?すぐにそっぽ向かれちゃったからわからないけれど、なにやら複雑な事情があるのかもしれない。というか、苗字あったりなかったりよくわからないクラスだな、ここ。

「はーい次俺ね。俺は或人。結構ここ、めんどくせえこと多いから。順応頑張れとしか言えねえわ。」

どういう意味なんだろう。考える暇もなく、次の人へと移り変わる。絶対これは名前覚えられる気がしない。

「音無憐です。まぁ、よろしく。」

短い。コメントすることもないほどに短い。

「…石田三成、だけど、夜でいいか。たぶん似てる姿してるやついるけど、気にしないで欲しい。アレと私は別人だし。」

随分と前衛的な前髪ですねと思っていたら、気づかれたのか「言っとくけど趣味じゃないからな」と返されてしまった。趣味じゃないのになんでそんな髪型してるんだ。

「………俺は、……、…カークランドだ。よろしく。」

だいぶ悩んでいたようだけれど、それだけを告げて彼はそっぽを向く。金色の髪に翡翠の瞳、そして名前からして、ここにきってやっと普通の外人さんらしい人がきた。すごいイケメンさんだけれど、何やら悩ましげだ。

「どーもー、ゆうむです。よろしくですー。」

ゆるく挨拶をしてきた女の子は、そのままゆるく笑った。思わずそれに笑い返せば、よくわからないけれどまた笑ってくれた。いい子や。

「あ、私で最後か。私は渉。一渡世渉。よろしくね。」

にこ、と笑った彼女に私も思わずほっとした。なんだか一番普通そうな印象を受けたからだ。
そしてちらりと確認して、私も口を開く。

「こんにちは、今日からお世話になります、主人公です。わからないことばかりですが、よろしくお願いします。」

オーソドックスな自己紹介をすれば、おーぱちぱちぱちーと完全に棒読みで言う声が聞こえたり、こちらこそーなんて控えめな声が聞こえたり。まだまだこのクラスのことも、みんなも、学園もわからないことだらけだけれど、やっていけそうだ。


「んじゃまぁ、自己紹介も終わったことだし…あぁ、俺は『  』。この無属性クラスの担任だ。あとついでにそこの猿飛佐助の父です。」
「え、お父さん!?」
「そうそう父ちゃんー、っていってもまぁいろいろあるから気にしなくていいよ」
「なんだかここ、気にしなくていいよって言われること多い気がします…」
「気にしなーい気にしなーい」


***


「ねえ、主人公ちゃんは、どんな夢から来たの?」
「…え?」

問われている言葉の意味が理解できなかった。いつもどおりに笑顔で聞いてきた彼女は、本当にいつもどおり。どんな夢から来た、とは、どういう意味なんだろう?どくり、と高鳴る心臓を無視して、私はもう一度言葉を足した。

「ゆめ、って?」
「あれ、自覚してないパターン?覚えてないの?あのね、この無属性クラスって、ほかの夢から来た子たちが集められてるんだよ。」
「ほかの、ゆめ…?」
「そう。私はね、こことは違う学校に通ってて、そこで飼育委員をしてたの。そこで、新人のカークランド先生に会ったんだ。あ、カークランドくんとは全くの別人ね。」
「…? へえ…?」
「カークランドくんはカークランドくんで、また別な物語がある。無人くんが猿飛くんに『嫌われの旦那』って呼ばれてるのは、無人くんがそういう夢からやってきたから。」
「よ、よくわからないけれど…」
「まぁそうだよね。みんなに前世の記憶があると思って貰えればいいよ。普通の学園から来た人もいれば、嫌われてる人もいて、成り代わってた人もいるの。それが、みんなの居た世界だから。」
「…じゃあ、同じ名前の人や、似た容姿の人がいるのって、」
「そう。元々は、成り代わってた子とかだよ。猿飛佐助くんは、正真正銘闇属性クラスの猿飛佐助だったらしいし、夜ちゃんも闇属性クラスの石田三成だったんだって。まぁ、中身も世界もだいぶ違うみたいだけれどね。」
「つまり私も、みんなみたいな、別の世界の記憶がある、って?」
「うん。てっきりそうだと思ってたんだけど…忘れてるのか、それとも全く別な法則だったのか、私じゃわからないや」

ごめんね、と笑う彼女に私は何も返せなかった。


***


「ね、ねえ…おかしい、よ。この世界。」
「…おかしくないよ。ここは、はじめからこういう世界だったもん。」
「おかしいよ!だって、だって私、彼等となんて何も…!」
「俺様だって、“ここのあいつら”とは何もしてないよ。ずっと無属性クラスだったんだ。正直、関わりだって数える程度しかなかった。」
「じゃあなんで!?」
「知らない。ここがそういう世界だって知ったのは、気づいたのは俺様だってアレを見てからだもん。法則だって、何もわかりゃしない。逃げられもしない。だから、捕まらないように過ごすしかない。」
「捕まらないようにって、何年、そんなことしなきゃいけないの…?」
「…知らない。気づいたら、ずっとこのままなんだよ。昔はまだ成長も、時間も進んでたのに。気づいたら止まってた。もう俺様は数えること、やめちゃったしね。」
「…そん、なに…貴方は、ここにいるの…?」
「まあ、生まれた頃からここにいるから。その分みんなより余計に、ね。でもだからこそ俺様はこうして原理を知れたし、だからこそ俺様は、まだ捕まってない。」

「…僕は、生まれた頃からじゃないにしろ、それなりに早くここにいるからね。けれど彼女は、もっと早い。それこそ、彼女は壁の外の世界を知らないはずだ。まぁ僕も知らないけど。代わりに、壁の外を知っている君よりも、ここを生きれる術を知っている。」
「………」
「彼等に捕まりたくないのなら、」



***


「…佐助、ちゃんって、いつもゆうむちゃんといるね」
「…まぁねー、俺様たち少なからず遠からずな深い関係だから…」
「あ、佐助の言うことは気にしなくていいよ。私ちゃんと彼氏いるからね。」
「…縁の子ってば、ちょっと俺様に対して厳しいんじゃないのー?」
「今更じゃね?」

からっと笑い飛ばすゆうむちゃんに対して、俺様悲しいと嘘泣きをする佐助、ちゃんを見る。ここ二人はいつもこんな感じなようなきがするけれど、と考えて、佐助、ちゃんは大体誰といてもこんな感じなことを思い出した。どうでもいいけれど、佐助って名前にちゃん付けは、凄く、なんというか、似合わなくてつらい。

「…っていうか、佐助、ちゃんって、なんでそんな解りづらい呼び方するの?」

ついでだから、普段から疑問に思っていることを聞いてみることにした。嫌われの旦那、だとか。縁の子、だとか。ちょっとわかりづらい名前で呼ぶことが多い佐助、ちゃん。多い、っていうか正直ちゃんと名前を読んでいるのを聞いたことがない気がする。私のことも結局未だに、『新入生ちゃん』のままだし。
私の問いに、佐助ちゃんは一瞬だけどこか遠くを見たあと、いつもどおりのへらりとした笑顔を浮かべて「あはー、」と間延びした声をだした。

「忘れないため?とでも言っておこっか」
「…何を?」
「私と彼の境界線を、だよ」

ゆうむちゃんが付け足してくれる。境界線、とは一体なんなのか。それを聞いても答えはくれないだろうなぁ、とちょっと思う。わからないけど、なんとなく。
そのまま少しの沈黙に包まれていると、背後から「佐助君、」と声がする。振り返れば、そこにいたのは或人と名乗った男の子だった。

「あれ、友の旦那じゃん。どったの?」
「いや、団子持ってるんだけど、食う?」
「食うわ。やったね団子パーリーだ!」
「いやコンビニでよく売ってる三本入りのだからパーティーはできねえけど…」



***

後半に行くほど劣化するのはよくあることです。飽きたところで放置してあったのをちょっとだけ修正して、そして中途半端でぽん。
設定なのですが、婆娑羅学園都市のイメージはまぁ進撃の壁に包まれた都市です。あんな大きくないけどね。とりあえず壁に包まれてて、外には出れない。まぁ中にいるのも別に不自由はしない設備になっているので、問題はありません。
学園は属性ごとにクラス分けしてあります絶対カオス。無属性クラスには夢主しかいません。俺様何様忍様!・失われた名前が僕を呼ぶ・偽りの楽園で僕等は嗤いあう・引きこもりの大空・友愛・つまるところ、僕は『凶王』なのさ・Rabbit・腐れ縁・生殺与奪・MonochroMe、の主人公たちが様々な形で出ています。大集合させてみました。我ながら一切書き分けができていません。

詳細設定としては、主人公以外の夢主には元の世界の記憶があります。主人公は、この世界の主人公であり、ほかの世界の主人公ではないため記憶はありません。
男だろうと女だろうと、何故かいうほど仲良くないはずの婆娑羅組に追いかけられます。とにかく好かれます。なつかれます。一定の時期を迎えるとヤンデレ化します。捕まえられたら死ぬ気がします。逃げましょう。そんな設定。
気づいたら繰り返される時間。無限ループ。過ぎる日付と育たない体。その謎は、世界を壊せば見つかるのかもしれない。外の世界と内の世界との違いがどのようになっているのかも、壊せばわかるのかもしれない。

どう考えても私得でしかないし、夢主書き分けできないし、オチが見つからないのでここにぽいさせて頂きます。大変楽しかったです。夢主大集合ネタは好きです。だがしかし書き分けのできなさよ。


*
少々付け足し。佐助をメインに回ってしまうのはお話的に仕方ない。
縁の子、ことゆうむこと、腐れ縁主と、友の旦那こと、或人こと、友愛主は佐助とよく一緒にいます。無人こと、僕呼主も結構一緒にいること多いかもしれない。こちらに関しては流れなだけで、好んで一緒にいることあまりないかも。夜こと、つまることシリーズ凶王主も結構。凶王主は佐助、僕呼主と一緒にいることが多いかもしれない。彩芭あたりは結構どこにでもいると思う。憐こと白黒主も以下同文。生殺与奪主とRabbit主は一緒にいるようで、きっといない。引きこもりの子は、誰といるだろう。この子だけ一切BSR関係ない。BSR関係なくてもAPH主は二人いるけど、本当に関係ないのこの子だけだ…。


ちなみに蛇足ですが、佐助の呼び分け表をぽん。

無人→嫌われの旦那
彩芭→混合の子
月奈→ヒッキー
或人→友の旦那
憐→白黒の子
夜→偽物の旦那
カークランド→二重の旦那
ゆうむ→縁の子
歩→兎の子

タイトルのちなんだり、趣向にちなんだり。センスをくださいとだけ、言っておきたいと思います。


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