小ネタ 2 | ナノ

BSR/猫は死に際を見せない
2013/12/22 02:55(0)

※俺何忍番外編
※急に始まり急に終わる
※いろいろ中途半端





もう忍びとしてやっていくのは、難しいだろうなあ。侍医に告げられる前に、なんとなくそう感じ取っていた。自分の体のことは、自分が一番理解しているのだ。生憎、俺様から武器をとったら残るものは何もない。家事スキルは壊滅的だし、諜報活動に回るには、俺様は、名も姿も知られすぎていた。

「…帰るかぁー」

ここにはもういれない。物語には関われない。けれど、俺様がいなくても問題ない程度には、ちゃんと下が育っている。俺様は、おまけ程度でしかなかったのだ。確かに全てのきっかけは俺様だと自負しているけれど、間接材だっただけで、くっついてしまったあとに俺様は必要ないのだ。幸い荷物はほとんどない。今すぐにでも、消え去れるだろう。まだ、誰にもバレないように消えることくらいはできるはずだ。そうと決まれば善は急げ、俺様のいた形跡なんて残さないで、そっと消えるだけ。さようならお館様。さようなら真田幸村。さようなら才蔵。さようなら、その他諸々。以下省略。


俺様は、帰ろうと思います。




爪をがれた鴉は鳴いた
(カァーっと鳴いたら帰りましょー、)(ってね!)


***


佐助が消えた。消えるだろうとは薄々思っていたが、こんなに早く消えるとは、正直俺も思っていなかった。案外、阿呆なだけではなかったらしい。あいつが残した爪痕は記憶だけで、あいつが存在していたという証明になるようなものは、何一つなかった。忍びであるが故に、当たり前のことではある。あるのだが、何故だか、あの佐助にそれが似合わなかったのも確かだ。

「…それで、何処にも居らぬのか。佐助は。」
「…一応城下の甘味屋にも周り、厨も確認しましたが、居りませんでした」
「あそこの木の上は」
「一回落ちてからは登らなくなったため、いないとは思いましたがやはりいませんでした。」
「ではいつも通りの迷子ではないのか」
「城中探しましたが、居りませんでした。できる限り近場も洗いましたが足跡すらつかめておりません。」
「………消えたのか」
「消えました、もう、戻ってこないでしょう」

幸村様は、噛み締めるように瞼を閉じた。いち、に、さん。たっぷり間を置いて、ゆっくりと瞼を開く。

「…そうか。もう、戻ってはこぬか。」
「はい」
「そのように、酷い怪我であったのか。アレは。」
「だったのでしょう。侍医に見せる前ですからなんとも言えませんが。」
「そうか。」

静かに呟く幸村様は、じっと何かを瞳に写しながら、何処か遠くを見つめていた。お館様の耳にも、もう情報は入っただろう。女中にも、出回ってしまっている。きっと他国の耳に入るのも、時間の問題だろう。そのことを幸村様に告げれば、また幸村様は、そうか。とだけ呟いて、遠くを見ていた。


誰かが、さびしくなるわね、と言っていた。



ぽっかりと穴が開くような
(うるさいのが一人いないだけで)(城とは、こんなに静かなものだったのか)


***

ということでなんとなく佐助いなくなってみました(唐突)
たぶん任務かなにかで大怪我したということで。彼がどこに帰ったのか、誰もわかりません。私もわかりません(おい)

きっとどこかでゆったりのったりごろごろしながら、家事能力の無さで誰かに幸運にも拾われることを夢見ながら暮らすクソニートにでもなってますから心配しないでくださいね!←


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