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BSR/俺何忍主の最期の意地とか
2013/01/26 20:30(0)

※俺何忍の番外編もどき
※流血表現あり
※急にはじまる




――鮮血が飛ぶ。
それを視界に入れたとき、最初は誰の血か、わからなかった。
相手の血も、自分の血も、味方の血も飛ぶこの戦場で、誰の血かを一瞬で判断せよなどと無理な話だ。
それにしても、結構な量だな。ああ、これは死んだか。そう理解するとともに、ガクンと全身から力が抜ける。あれ、と疑問に思う暇もなく、視界は一転した。

ああ、今のは、自分の血だったのか。

そう悟るのに結構な時間を要したけれど、問題はそこではない。俺様は、死ぬのか。こんなところで、こんな戦場で、死んでしまうのか。
全てを、見届けられずに―――?


「…ゃ、だ…」


腕なんか伸ばしたところで何も掴めない。声を出したところで誰も助けてくれやしない。理解してるのに、スマートじゃないってずっと思ってるのに。
ザリッ、と砂に爪を突き立てる。土の感触なんてわからない。当たり前だ、手なんて出してない。そんなことどうだっていい。

俺様は、また、死ぬのか。

ざわり、ざわりと体が沸く。殺気が溢れ出る。ああ、気配なんて消しておけば、もしかしたら見つからないで助かるかもしれないのに。馬鹿やっちゃってさ。本当、何やってんだろ。頭の隅でそんなことを思う自分がいるのに気づいてた、気づいてて、知らないふりをした。死にたくない。二度目の死なんて、いらない。いらないんだ。死なんて、一度経験すりゃ十分さ。しかも、二度も殺されるだなんて、そんな、そんな死は、


「ご、めんッだよ…!!」


無理矢理起こした体から、生が溢れ出る。ばしゃりばしゃりと音を立てて、俺様の体から、味気もない大地へと降り注ぐ。こんなものと、一つになってたまるもんか。向けられる刀に殺意を向けて、振り下ろされた刀身をこの身で受け止めて。それでも、まだ、俺様は生きている!

武器なんてなくても、人は殺せるんだ!!




愛おしき己に慈悲をくれ!
(自分勝手だ利己主義だ、ああどうぞなんとでも言ってくれ!)
(こんなところで死にたくないから、俺は理不尽に殺してやるだけさ!)


***
正直に申し上げますと、どうしてこうなった←
Twitterの診断「あなたは最期に呟いた」で一つ書けるんじゃないか、と思い書いてみたものです。結果、何をどう間違ったのか過去最高に路線がずれました←
一応診断結果は「有無は最期に呟いた―――おかしいな、真っ暗だ。」だったんですけど、私もその言葉にテンションが上がって書いてたんですけど、あれ、おかしいな、セリフを言ってくれないぞ。と。
それどころか生に縋り付いて頑張っちゃってるぞ、と。

まさにどうしてこうなった状態で私自信戦慄しました。
でもとりあえず完成は完成なので小ネタへぽん。


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