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BSR/自由になれるなんて思ってない
2011/12/13 03:54(0)

※bsr
※監禁物
※キャラが病んでる



「おーっはよ」


語尾に♪がつきそうな勢いで言ってくる彼、猿飛佐助。

今の私の、ご主人様とでも言うべきだろうか。そんなこと思いたくもないけど。でも、もう抵抗するのは疲れた。従順でいた方が被害も少ない。ああでも、従順でいたところで人によっては被害が少なくなることはないのだが。

とりあえず今までの経験から言わせてもらうと、挨拶を返さないと酷い目にあうのだ。人にもよるけど。主人より遅く寝て主人より早く起きている。それが、絶対条件。


「おはよう、ございます」

「あれ、起きてた。まだ寝てると思ったんだけどなぁ。」


ごめんなさい。起きてました。というか人が来る気配で起きるようになってしまってました。起こしたかったんですかごめんなさい。あーちくしょうまだこの主人にはなれない。というか昨日の今日でわかれという方が無理だ。

申し訳ありません。と呟けば少しきょとんとしたあと、アハー別に謝らなくていいよ?と返ってきた。

そしてそのまま、私が腰かけていたベッドに彼も座り、ひと笑い。
急に隣にきたことに体が震えてしまったが、どうにか私も作り笑いをひとつ。返せた。


「ねー主人公ちゃん?」

「はい?」

「ここから逃げたいとか、思わないの?」

「はい。」

「なんで?」


好奇心からなのかなんなのか、読めない笑顔で聞いてくる今のご主人様。なんでって、そりゃあまぁここから逃げ出したところで貴方に捕まるかもしれないし、もし無事逃げ切れても、逃げ場なんてどこにも存在しないから。

家にも帰れなければ、友達だった人達の家にもいけない。
いや、いく気になればいける。正確に言えば、私が、行きたくないだけ。


「思わないからですよ」


そう作り笑いのまま答えれば、彼は小さくふぅんと一言。
機嫌を損ねただろうか、少し心配してみるがどうやらそうではないらしい。

笑みは作り物だけれど、言葉は本物だからいいだろう。
ここから逃げ出そうなんて思わない。それだけは本当だ。


あぁでも、今回のように別の誰かに攫われて、監禁されて。
それからまたいろいろあって前の人の手に戻る、ってのはやめてほしいんだよなぁ。

隣から立ち上がる彼に、視線だけを向ける。私は今どんな設定を所望されているのかまだわからないのだ。わかるまでは、理解できるまでは全てを諦めておくしかない。


「ねぇ、主人公ちゃん?」

「はい」

「ここでそんな我慢しなくていいからね?」


笑顔で言われるその言葉に、なんて返せばいいかわからなくて口を閉ざす。さて、我慢しなくていいとは一体どうゆうことだろうか?頼られたいのだろうか?1人じゃなにもできないの私的なキャラを演じておけばいいのだろうか?あぁ、わからないわからない。

悩んでいる私に、彼はまた笑顔で言葉を紡ぐ。


「欲しいものがあれば、好きなだけとはいえないけど買ってあげる。」
「家は自由に行き来していいよ。あ、でも勝手に外だけはでないでね?お願いだから」
「お風呂も好きなとき入っていいし、ご飯もおやつも欲しいなら作ってあげる」
「ああ、でもご飯は一緒に食べてほしいな。できればおやつもね。俺様も一緒にいたいし。」


にこにこ。にこにこ。
笑顔で告げてくる彼にますます頭がついていかない。とりあえず、一つ。不躾だけど聞いてみようと思う。


「あの、」

「ん?なーに?」

「…くびわ、」

「…つけてほしいの?」

「いえそうではなく、首輪は、つけないのですか?」


今までの人達は必ずといっていい程首輪をつけてきた。所有物の証としてなのか、上下関係をきっちりつけたかったのか、逃げられないためかはわからない。でも、皆が皆首輪をつけてきたことだけは事実で。

本当になんで彼は首輪をつけてこないのか、それだけがずっと気になっていた。


「…いや、だって、俺様そんな趣味ないし」

「…は、ぁ…」

「え?なに主人公ちゃん俺様そんな趣味持ってると思ったの!?」

「あ、いえそうではなくて…つけないなら、いいんです。本当。不躾な質問してすいませんでした。」

「いや…まぁいいや。とりあえず主人公ちゃんがいままでどんな扱い受けてきたのか一部しかしらないけど、俺様あんな趣味ないからね!?異常すぎるからあれ!!もう聞いてて超怖いって!俺様はただ有無ちゃんとゆっくり暮らせればそれでいーの!好きな子なかせてどーすんのさ。一緒に笑ってた方が楽しいでしょうに。」


だいたいなんなの首輪とか!となぜか愚痴りはじめたご主人様――彼、猿飛佐助に少なからず驚愕と疑問を覚える。なんで、とかどうして、とか。

でも、いろいろ考えた末出たのは、一粒の涙と作り物じゃない笑顔だけで。

ゆっくりと、歪む口元に思わず手を寄せる。でも口を手で隠す前に気づいた彼が、私の手をつかんで、思わずそっちに視線をやれば、


「――ほーらやっぱり。笑ってた方が断然可愛いって。」


―その言葉に、思わずまたひと笑い。



泣顔、笑顔。どっちがお好み?
(猿飛佐助、さるとびさすけ)
(橙色の綺麗な髪をした、笑顔がとても綺麗なお方です)

(昔見た笑顔が、やっとまた見れた)
(今度こそ、俺様が、俺が絶対守るんだ)


***
え、なんですかこれどうしてこうなった。
女の子は泣いてる顔より断然笑った顔のほうが可愛いよね!なお話…だったはず←

簡単に解説をいれると、主人公ちゃんは可愛いので皆欲しがります。最初は主人公の兄らへんが主人公を監禁しました。それから主人公が逃げたりとかして友達の家にいったらまた監禁されて、みたいな。
基本キャラ病んでるのであまりいい扱いは受けてきてません。笑顔?いやそんなのより泣顔とか悔しがってる顔とかにらんでくる顔だろjk!!!!みたいな性格のやつらばっかです。

まぁそれから流れに流れて最終的に佐助君が誘拐して、主人公ちゃんとハッピーエンド…みたいな。佐助君と主人公ちゃんの関わりがなぁ…友達だった、とか知り合いだった、とかただ佐助君の一目ぼれだった、みたいな感じで。
あ、忘れられた幼馴染でもいいですね。昔仲良かったけど兄のせいでアーっ!ってなってやっと再開した…みたいな。主人公覚えてない的な。


でもこれってぶっちゃけ佐助ヤンデレでもおいしい気がすr((


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