シャルとはじめまして





たしかクロロの家に行き始めたばかりの頃だった。修行の合間に休憩と称してマチとパクと三人で喋っていたときに、服をくいくいっと引っ張られて、振り向くと予想よりも下から小さな金髪の男の子がこちらを見つめていたのだ。顔の半分は目なのか!?と驚いてしまうくらいのくりくりとした、翡翠色の瞳が揺れる。か、かわいい。


「お姉さんはだれ?」

こてんと傾げられた首は計算されているかのようにシャルナークの可愛さを倍増させる。

「わたしはナマエだよ。君は?」
「僕はシャルナーク!少し前からクロロたちと一緒に住んでる!」
「シャルナーク君ね。私は一緒には住んでないけど、みんなと修行してるの。よろしくね」
「シャルでいいよ!ナマエでいい?」
「うん、いいよ。シャル君って呼ぶね」

よろしくね!と服を掴んでいた手が、今度はわたしの手をぎゅうっと握る。みんなの年齢を知らないから予想だけど、同い年か年上が多いこの中で自分より小さいシャルナークはとても可愛くみえた。

人見知りもせずみんなと仲良くやっている姿を見かけると、小さいのにすごいなと羨ましく思ってしまうくらいだ。クロロにもこの可愛さを分けてあげてもいいのに、と呟く。マチにはそれはなんか嫌と一刀両断されたけど。

「ナマエは弱っちいね!」
「え〜ど直球だね」
「マチとパクには敵わないけど、ナマエなら勝てそうだなあ」
「お前舐められすぎね」
「フェイは笑いすぎだよ!」
「……フェイタンも笑うんだ」
「は、うるさいガキね。笑たらだめか?」
「はじめてみた……」
「ちゃんとシャル君に優しくしなきゃだめだよ、フェイ」
「うるさいよ。ガキは好かないね」
「フェイだってクソガキだったじゃん」

口喧嘩よろしくいつもの調子でぽんぽん言い争うわたしとフェイに挟まれて、交互に顔をみながら楽しそうにするシャル君。

「ナマエとフェイタンって仲良いんだね!」

えっ、と驚くと喧嘩するほど仲が良いってマチが言ってたよ!と無邪気に僕もナマエとたくさん仲良くなる!と手を繋いでくれた。

年上や同い年ばっかり囲まれていたわたしにとってシャル君ははじめて出来た弟のような存在で、シャル君に少しだけ甘いのは二人だけの秘密なのだ。


 




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