「う〜ん、どれ着て行こうかな…」
男の人とデートなんてした事無いから何着ようか迷うなぁ…
新一とどっか行く時は適当に決めてたけど、やっぱり先輩となると適当には選びたくないなぁ…
あ、そうだ!
コナン君はどれがいいって言うかな?
「ねぇコナン君」
「え?なに?」
「ちょっと相談があるんだけど…」
「相談?」
私は2着のワンピースを掲げた。
「どっちが私に似合うと思う?」
「えっ…え〜っと…この水色?」
「えーこれ?これはちょっとね〜…こっちのピンクがいいなって思ってるんだけど、ダメかな?」
「…じゃあそれでいいんじゃない?」
「もう!コナン君ちゃんと選んでよ!」
「……」
やっぱり男の子にはわかんないよね。
コナン君に聞くより名前に来てもらおう!
『やっぱり蘭はスタイルいいから、これとこれを組み合わせて…』
「…わぁ可愛い!名前ありがとう!」
『えへへ、You're welcome!』
やっぱりこういう悩みは女の子同士の方が参考になるわ!
『でも鈴原先輩とデートなんて凄いじゃない蘭!』
「でも何を話せばいいかわからなくて…」
『そんなの彼に合わせればいいのよ!』
「そ、そうかなぁ…?」
学校の外で会うなんて部活以外では初めてだからすごく緊張する…。
「ねぇ名前?」
『うん?』
「名前と新一はどんな風にデートするの?」
『どんな風に?う〜ん…手繋いでちゅうして腕組んで…』
「いいなぁそういうの!」
『あ、たまに新一が変なと』
「もういいもういい!ありがとう参考になったから!」
『あ、そう?』
「うんうん!あ、お礼に夕飯食べてって?」
『わぁありがとう!』
もう2人が付き合って1年以上経つけど、新一が名前にキス以上のコトしてるのって未だに想像できないなぁ…
幼なじみだから尚更なのかな?
『はいコナンくん、あーん!』
「あーん…」
『美味しい?』
「うん!」
「………」
毎回思うんだけど、この光景って名前と新一を見てるみたい…。
「クスッ、ほんと2人って仲良しだね?」
『だってコナンくん可愛いんだもん!もう大好き!』
「僕も名前姉ちゃん大好き!」
「はいはい…」
「待ち合わせの時間10分前…」
あ〜緊張するなぁ…
ほんと、何を話せばいいのかな…
新一と出掛けてた時は何話してたっけ?
−なぁ蘭、ホームズはな…−
いや、他にも何か…
−昨日名前がさ…−
他には……
−昨日の事件の死体が…−
他には………
…ない!
ないじゃないの新一のバカ!
あの名前症候群ホームズオタク!
「毛利!」
「あっ…」
来た…!
来ちゃった…!
「ごめんな、待ったか!?」
「そ、そんな…私も今来たばかりです!」
「なら良かった…女の子待たせるなんて男がしちゃいけない行為だもんな!」
「えっ…あ、」
「そういや毛利のワンピース姿、初めて見たけど似合ってるぜ?」
「えっ!?あ、ありがとうございます…」
「じゃあとりあえず喫茶店でも入って少し話すか?」
「あ、はい!」
先輩、女の子扱いしてくれた…。
そんなの初めてだからすごく嬉しいかも…。
心臓がドキンドキンってうるさい。
先輩に…聞こえてないよね…?