あれから警視庁が東都鉄道指令室に連絡を入れ、電車を70キロで走らせている状態だ。
元太、歩美、光彦のやつらも電車の中にあるかもしれない爆弾を探すと意気込んで、探偵バッチの通信を切ってしまった。
大丈夫かよあいつら…。
東都環状線がノンストップで走り続けて既に30分以上か…。
警察が隠し通せるのも30分が限界だな…。
ん?
博士がテレビを運んできてる…。
「ヨイショッ!」
がたん!
「看護婦さんから借りてきた!病室の方で見た方がいいじゃろう?」
「…ああ」
しかしわかんねぇな…。
環状線に仕掛けられた爆弾はどこに…。
なぜ日が暮れたら爆発するんだ?
時間も限られてるし、優月に聞いてみるか…。
「ん?誰に電話するんじゃ?」
「優月だよ。アイツなら爆弾の在処がわかるかもしれねぇからな…」
「なるほど!優月くんならわかるかもしれないな!しかし、キミが誰かに頼るなんて珍しいのぉ…」
「バーロォ!頼ってんじゃねぇ、知恵を借りるだけだ!」
「そ、そうか…」
プルルルルル プルルルルル…
「はいはぁい?」
「優月か?ちょっと知恵を貸して欲しいんだが…今いいか?」
「あら、珍しい事もあるのね」
「ああ…。どうしてもわかんなくてな…」
「…何かしら?」
「実は、東都環状線に爆弾が仕掛けられたんだ!」
「あららら!」
「その爆弾は午後4時を過ぎてから時速60キロ未満で走行した場合、爆発する仕組みになってる…。それに日没までに取り除かなかった場合も爆発する様になってるんだ」
「……日没…」
「ああ。それでな、爆弾を仕掛けた犯人が仕掛けた場所のヒントを言ってきたんだよ」
「…ヒント?」
「東都環状線の××の×…ってな」
「…ふーん?」
「×のところには漢字が一文字ずつ入るらしいんだが…」
「漢字ねぇ…」
「なぁ、何かわかんねぇか!?」
「…ねぇ新一?」
「な、何かわかったか!?」
「…今日はとっても良い天気だね!」
「はぁ!?こんな時に何言っ」
「あら、陽の光ってとっても大事だよ?」
「えっ…」
陽の光…?
「蘭の家に居候してるコナンくんも、こんな良い天気なんだからきっと博士に作って貰ったソーラーパワーが動力源のスケボーで、どこかに出掛けてるんじゃないかな?」
日、太陽……っ!!
「そうか…!ありがとな優月!じゃあ」
「あ、ねぇ待って!」
「ん?どうした?」
「…関係ないかもしれないんだけど…。森谷教授の事でちょっと…」
森谷帝二…?
あのジィさんがどうしたんだ?
「ああ、森谷帝二がどうしたんだ?」
「この前会った時…何か甘ったるい匂いがしたの」
「な、何だって!?」
歩美が言ってたのと同じだ!
…ということはアイツが犯人か!!
「…あら。その様子じゃ関係ありそうね?」
「ああ!大有りだ!」
「ふふっ、役に立って良かった!」
「サンキュー優月っ!愛してるぜ!」
ピッ
「何かわかったのか?」
「ああ!アイツのおかげで分かっちまったぜ!爆弾の在処だけじゃなく、犯人までもな!」
「な、何じゃと!?」
「だが、動機がまだわからねぇんだ…」
「だ、誰なんじゃね!?その犯人とやらは!!」
「え?ああ…。その前に警部に連絡しねぇと…」
プルルルルル プルルルルル…
「目暮だ!」
「警部!工藤です!」
「おお工藤くん!待っとったぞ!」
「阿笠博士から話は聞きました!爆弾の仕掛けられている場所は、環状線の座席の下でも、網棚の上でも、車体の下でもありません!線路の間です!」
「線路の間!?」
その後俺は、環状線の線路から電車を離れさせた。
まだ爆弾は見つかってはいないが、直に見つかるだろう…。
「ねぇ、コナンくんが爆弾の隠し場所を見つけたの?」
「いや、優月姉ちゃんが見つけたんだよ」
「えっ!優月お姉さんって、アメリカの名探偵で新一お兄さんの婚約者さんでしょ!?」
「ああ!」
「おいコナン!今度俺達にも会わせろよな!?」
「わぁってるよ!」