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Zauber Karte

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形勢逆転


「ほら新一!早く学校行こう?」
「……へーい」


今日から2学期。
ずっとハワイにいたから蘭と園子に会えなくて寂しかったけど、それも今日で終わり。
早く会いたい気持ちを抑えながら、新一と学校に登校した。


「らーーん!園子ぉーー!」
「あ!優月!」
「ずっと会えなくて寂しかったよー!」
「私もよー!」
「園子ぉーー!」
「はいはい。私も優月と会えなくて寂しかったわよ」


もう2人共大好きっ!!


「ねぇ優月…」
「うん?」
「新一と何かあったの?」
「え?」
「だって…朝からずっとあんな感じよ?」
「……」


新一を見ると、机に突っ伏してため息ばっかり吐いていた。
あのハワイでの一件以来、私は新一と仲良くしてない。
ってゆうか指1本も触れさせてない。


「…自業自得よ!」
「ちょっと!帝丹バカップルに何があったのよ!?」
「よかったら私達が話聞くよ?」
「園子…蘭…」


もう本当2人共大好きなんだからっ!


「あのね?」
「「うん!」」
「新一、巨乳が好きみたい…」
「「…は?」」


私が事情を説明すると、みるみるうちに2人の顔に変化が。


「…というわけ!ね?新一酷いでしょ!?」
「「……はぁ」」
「ちょっと何よー!そのため息!」
「私ね、優月の気持ちも理解できるよ?」
「え、うん?」
「でも、ちょっと今回は新一が可哀想かなって思う…」
「私も同感ね」
「えっ!?」


ま、まさか蘭と園子が新一の味方するなんてっ…!


「だって新一は、優月の胸に不満だってハッキリとは言ってないんでしょ?」
「……まぁ、言われてみればそうかも」
「あんたね〜。いくら新一くんだって、一応思春期真っ盛りの健全な男子なんだし、巨乳美人が近づいてきたらつい見ちゃうのは仕方ないって!」
「…………ど」
「「ん?」」
「どうしよう!!あたし新一に酷い事しちゃったよ!」


他人に言われて初めて気付くなんて…!


「そんなの簡単よ!優月が新一くんに謝って、体で奉仕してあげればいいのよ!」
「そうそう!」
「…ほ、奉仕!?」


体で奉仕って、土下座の事かな?
よ、よくわかんないけどとりあえず謝るしかないよね!


「わ、わかった!ありがとう2人共!」
「また何かあったらいつでも相談乗るからね?」
「うう…。ありがとう蘭!」
「明日どうなったか教えなさいよ?」
「うん!園子もありがとう!」


そっか、そうだよね!
新一だって男だもんね。
見るのは仕方ないよね、うん。
……ほんとは嫌だけど。


コンコン


「新一?入っていい?」
「……おー」


な、何か元気が無さすぎる…!
悪い事しちゃったなぁ…。


「あ、あの…」
「優月」
「えっ?」
「…座れ」
「…は、はい!」


あ、顎で指した…!
新一めちゃくちゃ怖いっ!


「す、座りました…」
「……」


新一とベッドの上で向かい合わせになったけど、何で黙ってるのよ!
オーラが怖いって!!


「俺は」
「…は、はい」
「確かに巨乳が好きだ」
「……」


うわ、堂々と宣言しやがった!
あ、あれか?
私に豊胸しろとでも?


「手術はしたくないです…」
「バーロー!!最後まで聞けっ!!」
「は、はいぃっ…!」


怖い怖い怖い怖い怖い!


「俺は巨乳が好きだ」
「…先程聞きました」
「あれは男の憧れだしな」
「…はぁ」
「んでもって巨乳でナイスバディな美人がいたら、つい本能で見ちまう」
「……」


…さっきから喧嘩売ってんのコイツ?


「けどな」
「え…?」
「この手で触りてぇって思うのは、優月、オメーだけだ」
「っ…」
「俺はオメーにしか、こんな事思った事ねぇよ」
「……ふぇ、」


新一に抱き着かずにはいられないこの嬉しさっ!!


「ご、ごめんなさい新一ぃーっ!」
「お、ペレの怒りは収まったようだな」
「だってっ、新一はっ、かっこ、いいから…っ。心配なん、だもっ…」
「バーロォ、俺は優月以外の女なんか眼中にねーよ」


もう何なのこの男は!


「あり、がと…。うぇ、ひっく…」
「もう泣くなよ」
「だっ、て…」
「この後、嫌でも泣く事になるんだからよ」
「………へ?」


……この殿方は、一体何を仰っているのかしら?


「この1ヵ月、我慢に我慢を重ねて更にその上から理性という名の皮を100枚被って耐えたんだ。明日はまともに歩けねぇと思えよ?」


新一がベッドに私の体を無理矢理押し倒して言った。
ひっ…!
ど、どんだけ…!
新一さん、口角は笑ってるけど目が笑ってない!


「あ、明日も学校…」
「知ったことかよ」
「で、でも」
「は?んだよ?言ってみろ」
「い、いえ何も!」
「じゃ、手加減しねぇからそこんとこ宜しく」
「あ、待っ…」


どの辺からかは不明だけど、新一の攻めに限界を迎えて気を失ってた。
目が覚めたら、腰…というか全身に激痛が走った。


「う…」
「気がついたか」


隣で推理小説を閉じる新一の姿が映った。


「体、痛い…」
「そりゃあ、あれだけの激しさで回数重ねればな」


あんた何回したの…!!
っていうか、この人、もしかして生粋のドS…?


「……昔の新ちゃんに会いたい」
「ぁあ!?」
「いえ、何も!」


何気にまだ黒いオーラ出てるし…!


「…じゃ、続きするぞ」
「えっ!?」
「は?これで終わりだと思ってたのかよ?」
「え…」
「オメーが途中で意識失っちまったからな。つまんねぇから止めたんだ」
「なっ…」


ヤバイ。
この男、本格型のドSだ!
何とか逃げ道を作らなければ体が持たない…。
…よし。


「…新一ぃ?」
「あん?」


優月、あなたは女優よ!
仮面を被るのよ!


「私、反省してるよ?だからもうお願い、許してぇ…?これ以上なんて、ひどいよぉ…。こんなの、いつもの優しい新一じゃないっ…」


上目遣い&涙目攻撃を受けてみろってーの!


「…そうか」


やったか!?


「俺を騙そうなんて思える程、まだ余裕があったとはな…!」
「えっ!?…いや…その〜」
「覚悟しろよ」
「ちょっ!やめっ…!」


次の日から2日間、寝たきりになってズル休みをする羽目になった可哀想な私。
あの可愛かった新ちゃん、Come back…!!


bkm?

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