smaragd | ナノ

Zauber Karte

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present for you


私は今、LAにある工藤邸来ている。
工藤家の皆と新一の誕生会をし、仲良く談笑中。
新一は「もうガキじゃねーんだからいちいちしなくていい!」とか何とか可愛くない事言ってたけど。
1年に1回の特別な日なんだし、もうちょっと素直になればいいのに…。
ま、そこは有希ちゃんと一緒に華麗にスルーしといたけど!


「…さて、と。優作?そろそろ…」
「ああ、そうだな」
「え?何?どしたの?」


優作さんと有希ちゃんが玄関に向かってる…?


「じゃあねお2人さん!」
「は?!」
「えっ!?」
「恋人同士で甘い誕生日を〜!」


えぇっ、ちょっと!?


「See you〜!!」


あっという間に車で走り去っちゃったよあの夫婦っ!!
ど、どーしよ!?
…有希ちゃん、優作さんと何か企んでるのね?!
甘い誕生日ってゆってもなぁ…。


「はぁ…。母さんの様子が妙に変だと思ってたら、まーた変な事企んでたのかよ…」
「そう…みたいね…」


…ど、どうしよっかな。
いつまでもウダウダしてても仕方ないし…。
プレゼント、今あげちゃえばいーかなぁ…。


「ねぇ新一?」
「へっ!?」
「あたしの部屋行こ?」
「…は!?えっ!?」
「いいから!」


私は何故か挙動不審な新一を部屋に連れ込んだ。
のだけど……。
よ、よく考えたらさ!
なんかこれって、私から誘ってる様に捉えられてもおかしくないじゃんっ!
ご、誤解しないでよ頼むから!?
確かにこの前はあんな事思ったけどっ!!


「………」


はぁ…。
1人で何ジタバタやってんだろ。
なんか無駄に疲れた気がする…。


「…で?何でオメーの部屋に来たんだ?」


あ、よかった誤解してないみたい…。


「…はいこれ!」
「…俺に?」
「うん!誕生日プレゼント!」
「マジで!?サンキューな優月!」


うんうん。
キミのそのキラッキラな笑顔が堪らなく好きなのよー!


「事件の時にメモする為の手帳と、ボールペンだよ」


これを選んだ理由は、新一が手帳なくて不便そうだったから。


「………」
「あれ?もしかして…気に入らなかっ」
「すっげー嬉しい!」
「ひゃっ!?」


新一から抱き着いてくるなんて珍しい!


「マジで嬉しい!ありがとな!優月!」
「ふふっ、どういたしまして!」


新一ったら可愛いなぁ〜。


「…新一」
「ん?」
「生まれて来てくれて、ありがとう」
「えっ…」
「工藤新一っていう素敵な人間が生まれてきてくれて、私は凄く幸せだよ?」


本当に心から思う…。


「…あ、あのさ」
「うん?」
「ワガママ…言っていーか?」


え?
何だろ…。


「まぁ今日は特別な日だしね。いいよ!」
「俺さ…」
「うん、なぁに?」
「オメーと…」
「…私と?」
「……優月と」
「うん?」
「その……繋が、り…たい」
「……えっ!?」


繋がりたいって…。
えーーっ、と…つまりは……!


「仲良し、したい…って事?」
「…そーゆー事」
「……」
「あ、わ、わわわ悪ぃ変なこ」
「いいよ」
「へっ?…ほ…ほんとか?」
「うん。それに私も、新一ともっと触れ合いたい…かなーなんて思ってたり思ってなかったり…あははは…」


ドサッ


「きゃっ!!」
「…今なら」
「え…?」
「今なら…まだ間に合うけど」
「……」


新一の真剣で真っ直ぐな瞳を見てたら、体の芯が熱くなっていく感じがする…。


「…私の知らない新一を見せて?」
「…っ!!」
「私も、新一の知らない花宮優月を見せてあげるから…」
「……ぜってぇ途中で止まれねぇからな、覚悟しろよ?」


新一の指先と私の指先が交わり合うと、どちらとも無く強く握り合った…。


「ふ…あっ…」
「は、っ…優月っ…」


私が甘い声を漏らすと、新一は可愛い、って囁く。
私に愛を囁く新一の声も、今まで聞いた事がない位とってもセクシーで…。
"私の知らないあなた"が、徐々に"私しか知らないあなた"に変わっていく。
私を包み込むこの体も、私に愛を囁くその唇も、私に悦びを与えてくれる、その指も…。
全てが狂おしい程に愛しくて。
もっと、新一を感じたい。
もっと、私の体で新一に感じて欲しい。
そう思うと、ロストヴァージンの痛みなんて、不思議と平気だった。
私を優しく気遣う新一が愛しくて。
思わず、新一の頬に唇を落とした。
この幸せが、いつまでも続くといいなって願いながら、新一から与えられる快楽に、身を委ねた。


bkm?

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