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Zauber Karte

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Station square date


無事に懐かしの工藤邸に到着し、蘭とバイバイした後、有希ちゃんに見てもらいたい物があると言われリビングに行くと、DVDをセットし始めた。
面白い映画でも見せてくれるのかなと思ってたら、とっっっても可愛くて懐かしすぎる映像がテレビに映った。


「きゃーーー!」
「懐かしいでしょ?」
「なにこの可愛い生き物っ!懐かしすぎるし可愛すぎるーっ!」


赤ちゃん時代の新一だあっ!!


「この時新ちゃんったら」
「なななな何見せてんだよっ!!」
「別にいいじゃない、減る物じゃないし」


なーに照れちゃってんのよ…。
お互い小さい時から一緒にいるんだから別に恥ずかしくないと思うんだけどなぁ。
それにしてもっ!
テレビの中の新一は声が高いしっ!
目から純粋な輝きを放ってるし!
そりゃあもう今の新一とは似ても似つかないほど可愛い物体なわけで!
今ここにいたら絶っっ対頬っぺたハムハムしちゃう自信あるっ!!


「あ、これ私だ」
「そうよ〜。これは2人がまだ3歳の時ね。優月ちゃんのご両親忙しかったから、赤ちゃんの時からよくうちで預かってたのよ!小さい時から優月ちゃんったらすっっごく可愛かったんだから〜!!ね?新ちゃん!」
「何で俺に聞くんだよっ!」


…有希ちゃんの無駄にテンションが高いところは置いといて。
テレビの中の新一は、「えへへ〜」とか言いながら私を押し倒して顔にちゅーしまくってる。
小さい私も満更じゃないみたいで、新一の背中に腕回してちゅーしてるし…!
全っ然覚えてないんだけど!
は、恥ずかしい…。


「……あれ?これ!」
「な、な、何でこれが…!」


テレビに映ったのは、渡米前日の夜に起きたあの出来事。
幼い新一がエメラルドのウンチクを1回も噛まずに言っている。
…何故この映像が残ってるのか。
犯人はズバリと言わなくとも、簡単に想像できる。


「うふふっ!こんなオイシイ場面、私が見逃すと思って?お2人さん!」


…ビンゴっ!


「だぁーーっ!母さんいい加減にしろよな!」


そう言いながらテレビの電源を切る新一。


「あら。折角今から2人のキスシーンなのに〜」


この有希ちゃんの表情、「残念!」ってゆー言葉がピッタリかも。


「ねぇ有希ちゃん?」
「なぁに?優月ちゃん」
「ちょっと出掛けてくるね」
「…どこ行くんだよ?」
「んと…銀行!」
「道わかんのかよ?」
「あ…」


そう言われてみたら、ほとんど地理忘れてるんだった…。


「…ったく。俺が連れてってやるよ」
「ありがとう新一!」
「お、おい!」
「あらあら。ラブラブねお2人さん!」
「そんなんじゃねーよ!」


支度して外に出ると、新一が至って普通に手を繋いできた。
……お馴染みのゆでダコになってた事はもう突っ込まないでおこう。
それから駅前に行って、銀行寄ったりウィンドウショッピングしたりしてたら、私の好きなアクセサリーブランドのペアリングが目に入った。
新一とお揃いで付けられたらいいなぁって一瞬思ったけど、こーゆーの嫌いそうだしね。
…無駄に照れ屋だし。


♪〜


新一と家に帰ってる途中、例のダースベイダーが轟いた。
一瞬ウザッ!って思ったけど、もうアメリカじゃないし呼び出される心配もないし、すぐに出てあげた。
のだけど…。


「はいはーい?」
「優月〜!Help me!」
「ラ、ラディッシュ?何があったの!?」


どうやら事件がどうしても解決出来なくて、周りの「貴様それでも優月のパートナーかよ」ってゆー視線と罵声に耐え兼ねて私にわざわざ国際電話をかけてきたらしい。
ちょっと可哀想に感じたからとりあえず事件の概要を聞いてあげたんだけど、こんな事が何故貴方にわからないの?って思わず言いたい、いや、言ってしまった位、実に簡単なトリックだったわけで…。


「はぁ〜…私と何年一緒にいたのよ…。もう謎は解けたし犯人もわかったから、みんなに聞こえるようにしてくれない?」
「よ、よしわかった!」


ハンズフリーにしてもらい、リアルタイムで事件を解決。
警部は泣きながら私に感謝の意を叫びまくってたので、次会ったらNY最高級ホテル、ウォルドルフ=アストリアのディナーに連れてってねと言って電話を切った。


「「ただいまー」」
「優月っ!!」
「きゃっ!?」
「と、父さん!?」
「優月!会えて嬉しいよ」


私の愛しの優作パパが飛び付いてきた。
有希ちゃん曰く、脱稿を終えて私達と入れ違いで帰ってきたらしい。


「しかしまさか、俺以外の家族が優月と感動の再会をしてるなんて夢にも思わなかったよ」
「ふふっ!私も優作さんにまた会えてすっごく嬉しい!」


今日からまた、お世話になります!


bkm?

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