smaragd | ナノ

Zauber Karte

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12秒


「じゃあ優月、後でね!」
「アンタ、無理しちゃダメよ?」
「うん!ありがとう!」


パタン


「ふぅ…」


ドレスって窮屈だからあまり着たくないなぁ…
っていうか、博士から貰った薬効かないじゃない!
寧ろどんどん悪くなってってない?
変な夢見るし…
だけど妙にリアルに感じたなぁ。


「はぁ〜…やだな…」


何だかどんどん暗い気持ちになっちゃう……っ!!


「あ、新一!」
「優月!オメー部屋に居ろって…わっ!」
「良かった…いつもの新一でっ…」
「ちょ、どうしたんだよ!?」
「あのね、悪夢を見たの…」
「悪夢…?」
「うん…起きたら新一がいなくてビックリした…」


内容は伏せちゃった…
正夢になったら嫌だもん…


「…ごめんな?勝手に居なくなって…」
「ううん、もう平気…あ、新一ちょっとごめん!」
「へ?ちょ、何す」


私は新一のシャツを捲った。


「よかったぁ〜…ちゃんとあった…」


捨てられてなかった…


「え?この指輪がどうかしたのか?」
「ううん、何でもないの…あ、そうだ!小五郎ちゃん心配してるかな…?」
「ああ、さっき電話でオメーを見付けた事言っといたから心配ねぇよ」
「よかったぁ…あれ?それ博士のICレコーダーじゃない…」
「あ、そうそう…オメーに頼みてぇ事があってさ…」
「頼みたい事?」
「日下の声でストーリーを録音して欲しいんだ」
「ストーリー?何それ?」
「いいから!今から俺が言う事、頭に叩き込めよ!」
「え?うん…」


私はワケが分からず新一が話す文章を正確に頭に入れた。


「…覚えたか?」
「覚えたけど…何で私に?」
「だってオメー、今回推理してねーだろ?少しは花持たせねーとな!」
「べ、別にいいよ…」
「よかねーよ!こういう事は分担しねー、と…」


あれ?
新一が耳に手を当てて何か聞いてる…


「新一?」
「わりぃ優月、すぐ戻ってくっから部屋で待ってろ!」
「え?ちょ…もう!」


とりあえず部屋に戻って録音しとかないと…
あ、このレコーダー、パーティーに持って行った方がいいよね?


コンコン


「はーい…あ、新一」
「優月!紙袋ねーか!?」
「は?紙袋?何につか」
「いーから!ビニールでも何でもいいんだ!」
「…ちょっと待って!」


確か昨日買ったお土産の袋が…


「えーっと…あった!」


新一がこういう事する時は何か閃いたって事よね…


「はい、紙袋!」
「サンキュ!」
「あ、ねぇ!5時からウェルカムパーティーらしいから早く用意しなよ?」
「わぁーってるよ!オメー無理すんなよ!」
「……」


さすが12秒の足…
あっという間に消えちゃった。
…さて、私も用意しないと!


bkm?

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