私達は夕食を食べる為に、レストランの前で待ち合わせたんだけど…
「コ、コナンくんっ…!」
「な、何…?」
今、私の目の前には白いスーツでビシッと格好良くキメた小さな王子様がっ…!
「きゃー!可愛いし格好良いしどうしよ〜!!」
「お、降ろしてよ優月姉ちゃん!」
「あ〜コナン君また優月お姉さんに甘えてる〜!」
「そ、そんなんじゃねーって!!」
「コナンくん、ちゅうしていい?」
「…バッ、バーロ!ふざけんなっ!」
「んもう!照れちゃって可愛いなぁ〜!大丈夫よ、しないから!口紅塗り直すの面倒だしね?」
「ま、まさかコナン君ってしょっちゅう優月さんとキスしてるんですか!?」
「もう年がら年中」
「わああーーっ!!ほら、早くご飯食べに行こうよ!蘭姉ちゃん達待ってるよ!!」
「ウフフッ!はいはい…」
もうホント可愛いなぁ〜!
でも組織倒したら、もうこの姿が見られないんだよね。
それは少し寂しいかなぁ…
「わぁ…!広いし豪華ね〜!さすが八代グループだわ!」
「でしょ〜?八代グループって言えば結構大きな財閥だしね!その八代商船が初めて作ったクルーズ船だもん!このくらい豪華さがなくっちゃ!」
「お客様…毛利様でいらっしゃいますね?ただいまお席のご用意を致しますので少々お待ちください…」
あ!ここ、タイタニックの映画に出てくるレストランと似てる!
ジャックが言ったあの名言、思い出すなぁ…。
「…ん?博士、なんだ?それ…」
「ただのICレコーダーじゃよ。新発明のヒントが浮かんだらすぐに録音しておこうと思ってな!」
ふーん…
相変わらず研究熱心ね。
「そうじゃ、新発明といえば…」
「え?珍しく何か役立つ物でも作ったの?博士…」
「優月君ひどいのぉ…これじゃよ。カフスボタン型スピーカー、盗聴機能付きじゃ!」
「……」
小学生がカフスなんて使う機会ないと思うんだけど。
ってゆーか盗聴なんて趣味悪っ…
こんなの新一が喜ぶワケ
「こりゃいいや!」
……そういえば新一って、快斗と同じで盗聴大好きだったわね。
「おっ!カフスボタンか!ちょうどいい…しばらく借りるぞ!」
「あっ!でもそれは…」
「バーロ!こういうのは俺みたいなダンディーな男にこそふさわしいんだ!お前みてぇなガキにはまだ早ぇんだよ…」
「ちょっと小五郎ちゃん!奪い取ったらダメよ!」
「あ、別にいーよ優月姉ちゃん…」
「そお?」
まぁ船の中じゃ使わないだろうし、いっか…。
「あれ?毛利さんに花宮さん?」
「え?」
カシャッ
あっ、新一の追跡メガネが…。
「名探偵の毛利小五郎さんと花宮優月さんですよね?」
「ええ…」
「あなたは…?」
「俺、シナリオライターの日下ひろなりと言います!毛利さんと花宮さんの大ファンなんすよ!」
へぇ、シナリオライターなんだ…。
「こちらは秋吉美波子さん!この客船を設計した設計グループのサブリーダーで、アフロディーテ号という素敵な名前も彼女がつけたんすよ!」
「秋吉です、よろしく…」
「ああ、毛利です…」
「初めまして、花宮です…」
「うわぁ!美人!」
この人、何だか雰囲気が英理ちゃんに似てる気がする。
「毛利様、お待たせしました。お席のご用意ができました…」
「あ、2人追加できる?」
えっ…
「いいですよね?毛利さん、花宮さん?」
「あ、ああ…」
「…どうぞ」
何よあの図々しい態度!
あーゆう初対面から馴れ馴れしい男って1番嫌い!
「…ねぇ、おじさま、何か変じゃない?」
「え?どうして?」
「いつものおじさまなら、『いやあ、アフロディーテと言えば美と愛の女神!船よりも貴女にこそふさわしい名前ですなあ!ハッハッハ!』…なんて言いそうじゃない?」
「あはははっ!園子似すぎだから!それに、小五郎ちゃんが美波子さんに興味が無いのも頷けるわ…」
「え?どうして?」
「フフフッ、美波子さんがうちのお母さんに似てるからよ…」
「あ、なるほど…」