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Zauber Karte

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まさかの事態


なつきさんは、全てを語ってくれた。
彼女には、ハリウッドでメイクとして活躍する夢があった事。
その夢を実現するためにLAのメイク学校に留学し、英会話もマスターした事。
帰国した後も、樹里さんのヘアメイクをしながらハリウッドに手紙を送り続け、念願叶って、エージェントから一緒にやらないかと声をかけられた事。
しかし、樹里さんの手によって、そのチャンスも消え失せてしまった事。
樹里さんは、なつきさんを便利な付き人として、傍に置いときたかっただけだった…。
メイク道具を凶器に使ったヤツがプライドなんて言葉を使うな…か。
小五郎ちゃん、いい事言うわね…。
あ、さっきの引っ掛かる事考えないと…
樹里さん…指…口…


「あっ!!」
「まずい!!」


大越さんのところへ!


「大変!大越機長にも毒がついてるわ!」
「何っ!?」
「早くしないと機長さん達が危ない!」
「えっ!?」


─────────


「失礼します…」
「「「!?」」」


やっぱり…!


「機長!?」
「大越さん!?中屋さん!?」
「ううっ…」


ど、どうしよう…!


「ぐがあっ!」


ガタン


飛行機が突然、急降下をし始めた。


「きゃっ!」


オ、オーパイが解除されたの!?
早く操縦しないと!


「早く引き起こして!」
「座席をずらして!」


私と新一は、一緒に操縦桿を握った。


「うぅ〜〜〜っ!!」
「うおぉぉぉっ!!」


ビピピピ…


ふぅ…何とか大丈夫ね。


「でかしたぞ!お前ら!」
「新庄さん!?」
「…!」
「もう大丈夫です!すぐに医者を!」
「わかった!」


大越さんと中屋さんは、幸い接種した毒が微量だった為、命に別状は無かった。
でも、意識混濁で操縦出来そうにない…。
とりあえず、この2人が死ななくて良かった…。


「と言うわけで、僕が機長席に座ります。副操縦席には…そう、キミに座ってもらおうか?」
「えっ!?」


快斗ったらまた調子に乗って…


「……わぁい!僕、ゲームセンターで何度も操縦した事あるんだ!」


ホントはハワイで親父に…でしょ?


「あ、キミは俺達の後ろにいてくれよ?」
「…はいはい」


何企んでんのよ…。


「さぁ、あと15分で着陸です!皆さん、キャビンに戻って下さい!」


ってゆーか快斗って飛行機の運転できるんだ…。
まぁ何てったってIQ400だから、色々脳みその中に詰まってるんだろう。


「快斗!何企んでんのよ?」
「ははっ…やっぱりオメーにはバレてたか!」
「当たり前でしょ!何で私までここに残らなきゃいけないわけ?」
「まぁまぁ、そう怒るなって…」
「…変装見破ったんだから何か奢りなさいよ?」
「わぁーってるって!」


あーやだやだ…。
新一の視線が痛い…。


「…本物の新庄さんは今ごろ、ニセキッドになって函館にいるんだろ?」
「ほう…さすがは名探偵…」
「…あのキッドLOVEな中森警部が黙ってないんじゃない?新庄さん、必死になって逃げてると思うけど…」
「オメーやっぱすげぇな!」
「そりゃ俺の惚れた女だからな…」
「きゃー!新一大好きっ!」
「さっきの推理ショー、なかなかだったぜ?」
「ホント!?やーん嬉しいっ!」
「ちぇっ…いいよな〜オメーらは…」
「あはは!快斗が羨ましがってる〜」
「…じゃあさ、もっと羨んでもらうか?」
「え?なにっ…」


新一が私の後頭部を押さえてきたと思った、ら。


「んっ…ちょっ…」
「……」
「…な、何してんのよいきなり!?」
「何って…口に舌入れてかき混ぜただけだけど?」
「そ、そーゆー事じゃなくて」
「ひゅ〜!探偵坊主を敵に回したら怖ぇーな」
「この前の仕返しだ。俺の女にキスなんかすっからだよ!」


あ、実は根に持ってたのね…。


「まぁまぁ…アメリカではあれが日常茶飯事だし、私は別に」
「良かねーよっ!!」
「ス、スミマセン…」


新一さん、小さくなっても怖いよ…。


bkm?

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