「おーし、ちゃんと鍵はかかってるな!」
「…」
よく言うわよ!
こんな鍵なんてすぐ開けちゃうクセに…。
「どーでもいいけど…」
「ん?」
「何で手繋いでんのよ!?やめてよね!」
「別にいーじゃねぇか。付き合ってんだから」
「なっ…」
だ、ダメだ…。
こいつ完っ全におちょくってる…!
でもここは我慢しないと快斗の仕事に差し支えが…。
「どうだった?」
「あ…鍵は全部かかってたよ」
「つまり、俺の推理が正しければ…キッドは屋上へはキッド来ない!」
「ふんっ!バッカみたい!」
「…」
新一はそんな事言わないわよっ!
「あんたどうしたのよ?」
「くだらないシャレ言う新一なんて嫌いよっ!」
「「……」」
もうさっさと舞台見て帰りたいわっ!
「あ、ねぇ優月!」
「え?」
「私達がコナンくん引き受けるから、2人でどっか行って来なよ!」
「そうよ!行って来なって!」
「えっ!?い、いいよ…」
「なに遠慮しちゃってんのよ!」
「ホントいいって!寧ろ私、コナンくんと一緒にいたいから!」
「あ〜!そんな事言ったら旦那が妬くよ〜?」
「しょ、小学生に妬くような男じゃないわよ新一は!」
だって本人なんだから!
あ〜…。
今日帰ったら色んな意味で怖いなぁ…。
「しかし大胆じゃのぉ…よりによって新一に化けるとは…」
「アイツは、俺達を油断させる為に俺に化けてるんだよ…。しかし驚いたぜ…わざわざ向こうから俺に喧嘩売ってくるなんてな…!」
新一さん、怖いです…!
漫画で書いたら絶対に髪の毛逆立ってるって!!
「…おい」
「へっ!?」
「後で話聞かせろよ」
「は、はい…」
絶対に怒鳴ってくるんだろうなぁ…。
はぁ〜気が重い…。
「よし!俺がためになるクイズを出してやろう!」
「え?新一お兄さんが?」
えっ、クイズ?
「聞きたい聞きたい!」
「おっ!じゃあオメーが勝ったらこの後デートしてやるよ!」
「…」
絶対答えわかっても言わない!
「いいか?ナポレオンの土地に、2人の日本人が家を建てたそうだ…その2人とは誰と誰だ?」
…フカノさん以外の2人でしょ?
「1、冬野さん…2、古野さん…3、深野さん…」
やっぱり!
新一の姿でくだらない事するのやめてよねっ!
「優月はわかっただろ?」
「…私そういうクイズは興味ないの」
「……」
「…何よ」
快斗がもっと演技しろ!ってゆー目で見てくるのは気のせい…?
「お前ら、ナポレオンの我が辞書に不可能の文字はないって言葉、知らねーか?」
わざわざ教えてあげるなんて、新一ったら優しいんだから…
「このクイズはその言葉にひっかけてあるんだ…土地は地所とも言うだろ?文字は表札に書かれた文字…つまり、我が辞書に深野の文字はないってことさ!」
「さすがコナンくん!」
「わっ!」
「ねぇ、あんなくだらないクイズ出す男、さっさと別れるからさ、コナンくん付き合って?」
「…うん!僕、優月姉ちゃんの恋人になるっ!」
「きゃー!可愛いーっ!」
「ちょっと優月!新一が可哀想だよ?」
「…あんなヤツ、私の辞書にはもう載ってないの。だからもう彼氏じゃないもん!ねーコナンくん!」
「うん!僕が彼氏だもんねー!」
「ねー!」
あぁー可愛い可愛い可愛いーっ!!
もうコナンモードの新一って何でこんなに可愛いのっ!!