「そ、そうそう、今回は特別に捜査協力をしてくれる人物を連れてきました…」
えっ?誰だろう…。
「まぁ、私は必要ないと言ったんですが目暮の野郎が…あ、いや、目暮警部が強く推すものでね…」
目暮警部が推す人物…?
「入りたまえ…」
コツ、コツ、コツ
「「えっ!?」」
「っ!?」
ま、まさか…!?
「どうも、工藤新一です…」
か、か、快斗っ!!?
「し、新一!?」
「なんだ、コイツか…」
「工藤新一って…あの有名な高校生探偵の!?」
「か…か…か…」
何でいるの!?
犯行日じゃないのに…!
…あっ!
そういう事だったのね!!
わざと犯行を失敗したと思わせて油断させようと…!
「誰だっけか?」
「何言ってんですか!」
「優月お姉さんの恋人さんよ!」
「違う、旦那よ!」
「怪盗キッドだ!」
「え!?」
「!?」
「この人、新一兄ちゃんじゃない!キッドが化けてるんだ!」
ちょ、コナンが言っても説得力ないって…!
「キッドが!?」
「何でそんな事がわかるんだ?」
「だって俺がホントの…」
「ホントの…何なんだ?」
「あ、いや…えへへ…」
俺がホントの工藤新一だからだ!…って言っちゃえば楽になるのに…。
「ははは…なるほど、その可能性もないとは言えないな…むんっ!!」
「イタタタ…ひょっほ!やめへふだはい!中森警部!」
おっ、快斗結構伸びるじゃん!今度私も……。
ってそんな事より!!
ど、どうしよう…!
私がキッドを庇ったら新一怪しんじゃうし…。
かと言って新一にキッドは快斗だって勝手に言えないし…!!
「よーし、間違いない本物だ!」
そりゃあ元々顔がそっくりだもん、変装なんかしてないし…。
「ついでに皆さんの顔も引っ張らせてもらいところですが…」
「いや、その必要はないでしょう…私の勘では、キッドはこの中にはいません!」
だからいるってば。
「それにキッドを捕まえる秘策はちゃんと考えてあります!」
「ほほう…それじゃ、その秘策とやらを伺いましょうか…牧さん、よろしければ他の皆さんには席を外して頂きたいのですが…」
「構いませんわ…」
「あ、すみません…僕は僕のやり方でやりますので…」
はぁっ!?
何でよ!
警部達と一緒にいてよーっ!
「上等だ!探偵坊主に用はねぇ!」
「へへ…」
ああ…。
やっぱり今日、来るんじゃなかった…。
「それじゃあ僕たちはこれで…」
「舞台、楽しみにしてますね!」
「ちょっと!帰ってたんなら連絡くらいしなさいよね!?優月が可哀想じゃない!」
「悪ぃ悪ぃ…」
うん、悔しいけどまんま新一だわ…。
「ねぇちょっと…!あんたどういうつも」
「優月っ!会いたかったぜっ!!」
「きゃっ!」
ちょっ、何で抱き着くのよっ!?
「久しぶりだなぁ!オメーに会えなくて寂しかったぜ俺は!」
「ちょっと…」
「おーおー、相変わらずバカップルねぇ!」
ヤ、ヤバイ…!
コナンの方からどす黒いオーラが…!
「…新一に言ってもいいの?」
「…いいぜ、アイツになら」
「……」
仕方ないわね…。
新一…ごめんなさいっ!
「…私も新一に会えなくて寂しかったぁ〜!」
「なっ…!」
「オメーはホント可愛いなぁ!」
「新一も相変わらずかっこいいよ?」
あ〜…。
後で怖いなぁ…。
「いい子で待ってたオメーにご褒美だ!」
「え…?」
「きゃー!新一お兄さんが優月お姉さんのホッペにチューしたぁ!」
「もう2人共!子供達が見てるよ?」
「仲がいい証拠じゃん!あーあ…私も彼氏欲しいなぁ〜」
随分アメリカンだこと…。
ってそうじゃなくて!
新一の目の前じゃん!
「ちょっと!何してんのよ!?」
「照れんなって!俺達夫婦になんだろ?」
「………」
快斗とは夫婦になんかならないよっ!
…でもまぁ、変態快斗が頬で済ませたって事は自重したって証拠よね…。
今日は大目にみてあげよう…かな。
「さて、じゃあ俺は屋上を見てくっかな…優月も一緒にどうだ?最上階は展望フロアみてぇだぞ?」
「え…」
「私たちに構わず行っておいでよお2人さん!」
「そうよ!2人でラブラブしてきな!」
「僕も行く!!」
え…?
「あんたはいいの!」
「行く行く!僕も行く!」
「こらコナンくん!」
「行く行く行くーっ!」
し、し、新一がっ!
「コナンくんっ!」
「ぐぇっ…」
「いいよっ!一緒に行こうねっ!もう可愛いんだからっ!!」
中身が新一だと思うと更に可愛い〜!
「…おい」
「後で話すから…」
「え…」
「ちゃんと理由話すから…だから心配しないで…」
「…わかった…」
よし!
これでとりあえずは大丈夫ね!