「あ、快斗！」
「よぉ優月！」
「見せたい物って何？」
「これこれ！」
「うん？」
快斗に見せられた物、それは…
「きゃー！予告状ね！？」
「そっ！オメー、エッグの時も簡単に解読したろ？だから今回はどうかな〜と思ってさ！」
ああ、あの強欲な大人達の醜い修羅場争い事件か…。
「あれは簡単過ぎたもん！」
「…ひでぇ」
「あはは…。でも私、快斗の作る予告状って大好き！」
「…そうか？」
「うん！楽しいんだもん！」
「へへっ、そう言われると張り切って作った甲斐があるな！」
「ふふっ。…あっ」
「ん？」
「そういえばエッグの事件でさ、スコーピオンに撃たれたじゃない？あの時快斗と連絡とれなくてすっごく心配したんだよ？」
「ああ、あれか…。悪ぃな、心配かけちまって…。白鳥警部に変装する為に色々準備で忙しくてよ…」
「もう！今度何かあったら必ず言うのよ？親友なら隠し事は禁止！わかった？」
「へーい」
…と言ってる私は、蘭と園子にコナンが新一だって事隠しちゃってるなぁ…。
「…じゃあ予告状読ませて頂きます」
「おう」
Ｒｏｍｅｏ
Ｊｕｌｉｅｔ
Ｖｉｃｔｏｒ
Ｂｒａｖｏ！
26の文字が飛び交う中
"運命の宝石"を
いただきに参上する
怪盗キッド
ふむふむ、下には2つに割れたトランプのイラスト…か。
「あ、これ…」
「どうだ？わかるか？」
「この運命の宝石って、スターサファイアの事だっけ？」
「ああ、よく知ってんな！」
「だって探偵ですから！」
なーんてね。
実は前にスターサファイアが絡んだ事件を解決した事があったからそれで知ってたんだけど。
それにしてもこの英語、どこかで…。
♪〜
「あ、ごめん新一からだ…」
「おー」
もう！
せっかくワクワクしてたのに…。
「はいはぁい？」
「あ、優月か？ちょっと一緒に考えて貰いてぇ事があるんだけど…」
「え？何？」
内容はズバリ、たった今ご本人様から見せて貰った予告状を解いて欲しいっていう事。
小五郎ちゃんに運命の宝石、つまりスターサファイアをキッドから守って貰いたいっていう依頼が来たみたい。
「詳しくは帰ったら話す」
「え？泊まりに来るの？」
「…嫌なのかよ？」
こ、怖いです新一様…。
「別にいいけど、明日も学校だよ？」
「ああ、ランドセル持ってくから…」
「ラ、ランドセルっ…ぷははははっ！」
「笑うんじゃねーっ！！」
「スミマセン…」
「ったく…じゃあ後でな」
「ばいばぁい」
ピッ
「名探偵、何だって？」
「スターサファイアの持ち主が、小五郎ちゃんにキッドから守って欲しいって依頼したんだって」
「ああ、その話か…」
「…また盗聴？」
「へへ、まぁな！」
「うわ、趣味悪いよ？」
「これは仕事だってーの！」
「…ねぇ」
「あ？」
「もしかして快斗、私の家に盗聴機とか仕掛けてないわよね？」
「するワケねぇだろ！」
「あ、そっか！快斗は青子ちゃんにしたいんだもんね？」
「まぁな！」
「うわ、快斗エローい！ってゆーか変態でしょ？」
「お褒めの言葉を頂き、大変光栄ですよ、優月嬢…」
「ちょ、ちょっと！学ラン姿でキッド口調はやめてっ！ってゆーか否定しなさいよ少しは！」
「へへへ」
そういえばこうやって手の甲にキスされると、ロンドンで出会ったあのキザな探偵を思い出す。
名前は何だったか思い出せないけど、あの人、元気にしてるかな…。
「あ、そういえばこの前メールで新一に変装するって言ってなかった？」
「おう、するぜ？」
「いつするの？」
「それは企業秘密」
「…変な事しないでよ？」
「さぁ？それは保証できねぇけど、なるべく努力するよ！」
「……」
快斗って、たまに新一みたいな発言する気が…。
「…予告状、」
「ん？」
「ちょっと家に帰って考えさせて貰っていい？」
「別にいーけど…。珍しいな？オメーが詰まるなんて…」
「でしょ？解りそうで解らないのよねぇ…。何かを忘れてる気が…。うーん、何だったかなぁ…」
この英語、どこかで聞いた気がするのよねー…。
どこだったっけ？
「ああああーー！わかんないっ！！」
「…まぁオメーならすぐ解けるかもな」
「…そうかな？」
「うん。大丈夫だって」
…帰ったら新一と考えよ。
「じゃ、解けたら連絡しろよ？」
「うん」
「さて…俺、今日用事あるからそろそろ帰るな！」
「じゃあ私も帰って新一とラブラブしないと」
「へっ！あーあ、いーよなぁオメーだけ！」
「…さっさと青子ちゃんに告れば〜？」
「それが出来れば苦労しねーよ！」
絶対両想いだと思うんだけどなぁ…。
「ほら、帰るぞ！」
「はぁーい」
いつもの場所で話した後は、必ず快斗が家まで送ってくれる。
こーゆー紳士な所を見ると、高2の新一に会いたくなる自分がいたりいなかったり…。
もちろんコナンはコナンで昔の新ちゃんだから大好きだよ？
でもやっぱり……ね。