あの忌まわしい髪の毛ブロッコリー医師の事件から2週間後…。
あの事件から新一は変わった。
以前よりも更に優しくなり、私の気持ちを汲み取ってくれるようになった。
私が気分的に"仲良く"したくなくて拒否ったりしても不貞腐れる事は無くなって。
そんな時は優しく抱っこしてくれたり、スキンシップで我慢してくれるようになった。
新一は理由を言ってくれないけど、私が記憶喪失になって色々思った事があったのかな?
ま、相変わらずドSな事には変わりはないんだけどね。
それで私は今、久しぶりに新一と蘭と仲良く歩いています!その理由は…
「やっと新一と優月と3人でトロピカルランド来れたねー!」
『ねー!』
「…俺は優月としか行き」
「何か言った!?」
「…」
『まぁまぁ…』
蘭と私の強い推しで決定したトロピカルランド行き。
この日の為に新一はわざわざ解毒剤を飲んでくれたワケだけど…。
『ねぇ新一、身長伸びた?』
「えっ?」
「あ、私も思った!ちょっと高くなったよね?」
「そ、そうか?」
何でだろう…?
『あ!きっと1年生だから成ちょフガッ!』
「あー優月!ほら!ジェットコースター乗ろうぜ!な!?」
「??」
私は新一に、半ば引きずられる様にジェットコースター待ちの列に連行されたワケで…。
「オメーちょっとは気を付けろよな!」
『え?だってホントの事じゃん!1年生は成長期なんだから!』
「だーかーらっ!蘭にバレたら色々厄介なんだよっ!」
「ねぇ、2人で何コソコソしてるの?」
「べ、別に何でもねーよ!な?優月?」
『え?…うん。何でもないよ?』
「そぉ?ならいいけど…」
別にバレたっていいと思うんだけどな…
「あ、そうそう!新一聞いて!」
「ぁん?」
「新一が事件事件で帰って来ないから、優月が浮気しちゃってるよ〜?」
「…はぁ!?ちょ、オメーどういう事だよ!?」
『えっ!?し、してないよ浮気なんか!!』
何その疑惑!!
私は何もしてないよっ!
「優月ったら嘘はいけないな〜?この前言ってたじゃない、コナン君は私の恋人だって!」
『「……え?」』
多分、今私と新一の目は点になってると思う。
いや、確実に点になってるね、うん。
「フフッ!優月が犯人に狙われてる時ね、コナン君が命懸けで守ってくれたんだって!ね?優月?」
『あぁ…うん!コナン君凄くかっこよかったよ!』
「そ、そうか…よかったな…ハハハ…」
「新一どうするの〜?コナン君、絶対優月の事好きだと思うよ〜?よく優月の家に泊まりに行ったりしてるし…」
「え!?あ、えっと…コナンなら別にいーんじゃねぇの?」
「フフッ!ま、コナン君は小学生だしね!でも、折角の初恋が寄りによって優月だなんてねぇ〜。あーあ、コナン君可哀想…」
『「あ、あはは…」』
蘭さーん!!
コナン君は新一なんですよ〜!!
「あ、そういえばこの前お父さんの大学時代の同窓会があったの!私とコナン君も一緒に行ったんだ!」
あら、新一も行ったなんて初耳…
『へぇ〜!同窓会かぁ…小五郎ちゃん楽しめたんじゃない?』
「それが聞いて!折角の同窓会なのに殺人事件が起きちゃって!!」
『あららら!!』
「しかも犯人はお父さんの同級生の刑事さんだったの!!」
『刑事さんなのに殺しちゃったんだ…』
「うん…被害者はね、その刑事さんの元彼女だったの…」
『そっかぁ…』
一度は愛した人を殺しちゃうなんて、よっぽどの事があったのかな…
「あ、何かゴメンね?暗くなっちゃって…」
『ううん!大丈夫よ?』
「新一も!優月と別れたとしても殺しちゃダメだからね!?」
「そ、そんな事するワケねーだろ!?第一、俺と優月はぜってー別れねぇよ!!」
『えへへ!新一大好きっ!!』
「俺も大好きだぜっ!!」
「はいはい!イチャつくのはもう少し我慢ね!」
『あ、ごめんね蘭?』
「ちぇっ…」
私達は以前にも増してバカップル度が上がったみたいです。
「あ、それでさっきの同窓会の話、続きがあってね…」
『うん?』
「私とコナン君が一緒にお風呂入ったらさ、コナン君ったら鼻血出しちゃったのよ〜!」
「お、おい蘭!!」
「え?何で新一が焦ってるのよ?」
「えっ!?あ、いや…」
お風呂……?
鼻血……?
『……鼻血、出したの…?』
「え?あ、うんそうなの!お父さんはね、私の裸見て興奮したんだとか言ってたけど、コナン君まだ1年生だし有り得ないよって言っといた!きっと逆上せたのよ!」
『…ふーーん……そう…コナン君が蘭とお風呂ねぇ……』
隣を見ると、顔が青い"コナン君"が何とも言えない顔で私を見てた。
『…まぁ、確かに蘭は男が喜ぶ美しい巨乳を持ってるし?有り得ない程ナイスバディだからさ?小学1年生のコナン君が鼻血出すほどヨかったのかもねぇ…』
「ちょ、優月…」
「もう優月までそんな事言ってー!そんなんじゃないよ!」
「そ、そうだよ優月!コナンはそんな事…」
『…どうせ私は鼻血出るほどグラマーじゃないですよ…』
「うっ…」
「え?何?優月?」
『ううん何でもないよ?』
「そう??」
「お、おい優月…」
『うん?なぁに?新一?』
「あ…いや…」
『………』
なーに焦ってるのよ…
仕方ない、蘭がいるからメールで伝えてあげるか…
私は携帯を取り出してメールを打った。
送信……っと。
♪♪〜♪〜
「…あれ?新一の携帯鳴ってない?」
「え…?あ、ホントだ…」
新一が微笑みながらメールを読んでるのを見ると、そんなに嬉しい事なのかなって不思議に思う。
あ、そうだ…
蘭に言っとかないと…
私は携帯を取り出し、蘭にメールを打った。
これでOKっと…
それにしても、あとどれ位待つんだろ?
立ってるの結構しんどい…
♪♪♪〜♪
『あ…』
この着信音は新一からだ…
Sub:無題
本文
蘭と風呂に入って良かった事が1つだけある。
それは、オメーの身体はやっぱり世界で一番神秘的で美しい物だと再確認できたって事だ。
────END────
ちらって新一を見ると、へへへって笑いながら、イタズラっ子みたいな笑顔でこっちを見てた。
『…ばーか』
どこからこーゆーセリフが湧いて出てくるんだっつーの…
何かうまく丸め込まれた感が拭えないけど!
ここは素直に受け止めてあげようじゃないの…
♪♪〜♪♪〜
あ、蘭からメール…
Sub:大丈夫?
本文
わかった!でも立ってて平気?
そういえば優月、結構酷いもんね…。
気付けなくてごめんね。
言ってくれてありがとう☆
────END────
『蘭!新一より愛してるっ!』
「ホント!?嬉しいっ!私も愛してるよっ!」
「何だ?オメーら…気色わりぃぞ?」
「あら、女の私に妬いてんの?」
「あれ?オメー女だったのか?そりゃ知らなかったな!」
「な、何ですってー!?」
『まぁまぁ2人共…』
どうしてこの2人はいつもいつもケンカに発展するのかなー…。