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Zauber Karte

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険悪なカンケイ


「殺害された奈良沢っていう刑事が左胸を…?」
「ああ。多分、警察手帳を示してると思うんだが…」
「ふーん…」


この蒸し暑い中、私の彼はスケボーをかっ飛ばして突然うちに上がり込み、


−俺の目の前で刑事が何者かに撃たれたからオメーも考えろ!−


と言い放ち、強制的にお昼ご飯食べるのを中止にさせられた。
新一曰く、お腹が空いてる時の方が頭の回転がいいらしい。
本っ当、ホームズ信者だと思う。
全くあきれ果てるわ…。
私は平穏に暮らしていたいのにっ!
この人、つくづく事件の女神に好かれてるなぁ。


「オメーなぁ!もう少し真面目に考えろよ!」
「あーもうっ!うるさいなぁ!私は日本では事件に関わりたくないの!平穏に暮らしていたいんだから余計な荒波立てないでちょうだい!」
「な、なんだとテメェっ!?」
「…はぁ…」


最近、セミが五月蝿く鳴くようになったなぁ…と感じる様になったら、この男もセミと比例して煩くなってきた。
2人きりになれば、口喧嘩ばっかりな毎日。
これが俗にいう倦怠期…?
新一はすぐキレるようになっちゃったし、態度は素っ気ないし、遠回しに私の浮気を疑うような発言をしてくるし…。
まだメールの事、根に持ってるのかな?
でもそれは誤魔化したし…。
う〜ん…何だろ?
他に心当たりなんて無いし…。


「あ、そういえば…」
「ぁん?」
「今度、白鳥警部からパーティーに誘われてるんだ。言ったっけ?」
「ああ、あれだろ?友人主催の妹さんの結婚を祝う会だろ?」
「えっ、新一も行くの?」
「蘭の親父が呼ばれてるからな…」
「ふーん。じゃあ私も行こうかな!」
「…オメー行かないつもりだったのかよ?」
「何か乗り気じゃなかったのよね…何でだろ?」
「…オメーの勘が何か起こるって予言してんじゃねぇか?」


新一の言う通り、なんだか嫌な予感がする。


「ん〜。よくわかんないけど、新一が行くなら私も行くよ!」
「…あっそ」


うわっ!
可愛くない反応!


「…新一だって私が行かないと寂しいでしょ?」
「…べっつにー」


このチビ…!
本っ当ムカつく!
何よその態度!
中身が高校生だとホント可愛くないっ!
でも私はめげないもん!


「ねぇ新一?」
「んー?」
「また今度2人でトロピカルランド行こうよ!」
「…」
「噴水すごく綺麗だったからまた見たいな〜!」
「ああ…そうだったなー…」


何よ、そのテキトーな返事…
もう私に愛が無いんじゃないの…?


「あ〜あ…最近オメーとヤってねぇからつまんねーな…」


近ごろ、こーゆー発言ばっかり!
「ヤりてぇ」だの、「俺の性欲の行き場はどうすりゃいい」だの!
高校生ってこんなもん!?
ってゆうか、それ以前に私は新一の性欲処理の道具じゃないよ!!


「…私は嬉しい限りだけど?だって新一に解毒剤あげないでって哀ちゃんに釘さしてるしね!」
「はぁ!?」
「残念でしたー!」
「くっそー。だからか…。灰原のやつ、毎回材料が足りねぇから作れねぇって言いやがってたのは…!」


ああ、やっぱりしつこく聞いてたんだ…。
哀ちゃんかわいそー…。


「つーか何で灰原に解毒剤やるなって言ったんだよ!?」
「だって…」
「んだよ!?言ってみろよ!!」


うわ、機嫌が最高潮に悪い…。


「…さぁね〜!そんなの、自分で推理してみれば?"小学生"探偵でしょ?」
「オ、オメーなぁ…!」
「あら、新ちゃんったら〜!その姿でぶちギレても迫力ないわよ?」


身体ばっかり求める狼へ仕返しよ!


「俺帰る!!」
「え?もう帰るの?」
「オメーといるとイライラすんだよっ!」


バタンッ!!


…何よ、1人でイライラしちゃって!
そりゃあ私だって、新一と"仲良く"したいに決まってるじゃない!
でも、したくない理由がちゃんとあるのに…。
何で気付いてくれないのよ…バカ。


bkm?

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