「えっ?新一が蘭の家に!?」
「そうなの!でもタオル取りに行ってる間にどっか行っちゃったのよ…」
この前、お金が絡んだ何とも醜いメモリーズエッグ争奪戦ならぬ、"世紀末の魔術師連続殺人事件"があった。
ちなみに命名は工藤新一様。
新一の行く場所ほとんどで事件が起きるワケで…。
この人、呪われてるんじゃないの?って心底思う。
もしかしたらコナンの正体に蘭が気づいてるんじゃないの?って思ってたけど、やっぱり予感的中だったみたいで…。
だってさ、蘭の前で自分の誕生日言っちゃうんだよ!?
思考回路どうにかなってるんじゃないの!?
まぁ、そこは鳩さん愛好家のキッド(快斗)が、新一に変装して会ってくれた様でバレずに済んだみたいで良かったけど…。
「ねぇ!優月のところにも来た?あの推理之介!」
「えっ?えーっと…うん!来た来た!」
ちなみに今も隣にいますよ蘭さん…。
「そっかぁ!よかった!その辺はちゃんとしてるみたいで安心したわ!」
「あ、あははは…」
ここでコナンが新一だってバラしたらどうなるのかな…。
こ、怖すぎて想像したくないな…。
あ、快斗にメール送っとこう。
To:快斗
Sub:気が利くね
本文:
フォローありがと└|∵|┐
─────END────
快斗とは、あの私の醜い嫉妬事件からよく堤向津川で会うようになった。
私からマジックを見せて欲しいと声をかける時もあれば、快斗からバイオリンを弾いて欲しいと言われる時もある。
それでお互いの話をしたり、青子ちゃんの話を聞いたり…。
悩みも打ち明けたり聞いたりしてる。
−優月…。俺、実はさ…−
この前、キッドになった目的や、盗一さんの事、パンドラの話を聞いた。
何故、探偵である私にそんな秘密を打ち明けたのか聞いたら…。
−そんなの決まってんだろ?俺と優月は親友だからだよ−
そう、言ってくれた。
それで私も、ずっと親友でいようねって言って。
−私は快斗を応援するよ−
そう伝えた。
…こういうのは、探偵としていけない事かもしれない。
でも、私は探偵の前に1人の人間。
快斗には頑張って欲しいって、心から思うから…。
それに、男友達って新一以外いなかったから、何だか新鮮だったり…。
快斗ってやっぱり、見た目が新一に似てるからなのか、昔から知ってるような感じがするし、とても話しやすい。
お互いに親が亡くなってるっていう共通点もあって、色々話を聞いてくれるし…。
私にとって、とても大事な親友の1人。
気兼ねしなくて、一緒にいても飾らなくていい数少ない友達…。
でも、何だか新一には快斗の事、言いづらいんだなぁ…。
新一を悲しませたくないっていう気持ちがあるから…。
それに、新一ってドが付くほど嫉妬深いし…。
嫉妬なんかしなくたっていいのになぁ…。
♪〜
Sub:おう!
本文
今度また工藤新一に
変装するからその時は
ぜひ協力よろしくな!
その顔文字、気に入ったぜ!
─────END────
はっ!?
また新一に変装するの!?
しかも協力!?
私も泥棒しろって事!?
意味がわからないんだけどっ!
ってゆーか、顔文字気に入ったとか、なかなか趣味がいいわね快斗…。
まぁ、その時になればわかるって事なのかな…?
やだなぁ…。
コナンがいる前では波風立てるのやめて頂きたい…。
「優月姉ちゃん?」
「えっ!?」
「誰とメールしてるの?」
ヤ、ヤ、ヤバイ…!!
「と、友達だよ?」
「……」
うわ〜…。
睨まれてるよ思いっきり…。
「どうせ優月の事だから、新一君とラブラブメールしてるんでしょ〜?」
「あはは…」
参ったなぁ…どうしよう…。
「…ねぇ優月姉ちゃん?」
「な、何かな?」
し、新一の声が低いっ!
「もし…浮気したら…新一兄ちゃんに何されるか…わかってるよね…?」
こ、怖いよっ!
黒いオーラ出てるよっ!
「も、もうコナン君ったら〜!私が浮気なんかするはずないでしょっ!?」
「そうよガキンチョ!優月は新一君とラブラブなんだから!」
「そ、そうよ全くも〜何言ってるのよコナン君!」
「…ふーん」
しょ、小1男子からドSオーラを感じる事なんて滅多にないよ!
よ、よし…。
快斗にコナンの前では、私に変なことするなってメールを…。
あっ、ダメだ!
今携帯いじったら後で新一に何されるか…!
じゃあ今夜こっそりメールしようっと…。
「ねぇ、蘭姉ちゃん?」
「なぁに?コナン君」
な、何か嫌な予感…。
「僕、今日優月姉ちゃんちに泊まるね!」
きたーーー!!
「私は別にいいけど…優月は平気?」
こ、ここで拒否したら新一に廃人にされるっ…!!
「う、うん…へ、平気よ…」
「やったぁ!僕といーっぱい遊ぼうね〜!優月姉ちゃん!」
「そ、そう…ね…」
そ、それはどんな遊びでしょうか、新一さん…。