smaragd | ナノ

Zauber Karte

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久方ぶりの…


私は新一から全てを聞き出した。
APTX4869で体が縮んだ事。
その毒薬を作り出した黒の組織を追い掛ける為、蘭の家にいる事。
眠りの小五郎の真相…。
そして、黒の組織の一員だった宮野志保、コードネーム・シェリーが、今は博士の家に灰原哀として住んでいる事…。
そして今朝、やっとAPTX4869の解毒剤(試作品)が完成し、実験体として哀ちゃんから貰った事。


「……」
「……」


今、ソファに私が座り、その下で新一は項垂れながら正座している。
普段では考えられない様子かもね…。
でも私はね、久しぶりに全力でぶちギレてるワケよ。
身体的暴力を奮わないだけでも有り難く思えっての。
ねぇ…江戸川コナンくん?


「……で?」
「ハ、ハイ…」
「何でテメェは私に黙ってた?」
「そ、それは…」
「ぁあ!?んだよ!?」
「……そ、組織の奴等に…狙われたら、危険だと判断して…」
「何だそのふざけた理由はよぉ!?」
「ひっ…!」


…バカじゃないの?


「……私はよぉ新一さん、生きるも死ぬもテメェと一緒だって覚悟は出来てんだよ…。狙われようが何されようが、構やしねぇんだ!」
「優月…!」


何こんな時にキラキラ笑顔してんだよ…。
身の危険感じすぎて麻痺してんのか?
…ま、そろそろ疲れてきたし、終わりにしてやるか。


「…で?薬の効果はいつまでなのかしら?」
「あ、明日の昼頃だって、灰原は言ってたな…」


あら!
結構もつのね。


「…どうする?」
「へ?」
「その姿で今から蘭の家に行こっか?」
「そそそそれだけはっ!」


ふふふっ…。
新一虐めるの、結構楽しいかも…!


「フッ…そりゃ嫌よねぇ…。今行ったら半殺しじゃ済まないだろうし…」
「…デスヨネー」
「ま、私はそこまで鬼じゃないから安心しなさい…」
「…そりゃどーも」


新一が痛い目に合うとこ見るのはさすがにツラいし…。


「あ、あのさ…」
「うん?」
「…オ、オメーは」
「オメー?」
「あ、いや…優月は…」


か、可愛い…。


「…何?」
「い、いつからコナンが俺だって気付いてたんだ…?」
「…最初にあれ?って思ったのは、初めてコナンに会った時よ」
「えっ!?」
「コナンを抱き締めた時にね、新一の匂いがしたの。私が落ち着く、大好きな匂いが…」
「……」


他の誰からも感じない、特別な匂い…。


「でも、気のせいだと思ったわ。だって人間が小さくなる方法なんて、この世に存在するワケないと思ってたから…」
「……」
「確信したのは、一緒にお風呂に入った時よ…」
「えっ!?じゃあ何ですぐ俺に聞か」
「新一の口から聞きたかったのよ!」
「っ……」
「だから夜、さすがに私が泣いてるの見たら言ってくれるかなって思ったのに…」
「あ……」
「なのに新一ったら、声変えてまで電話して誤魔化すなんてね…。正直ショックだったわ…」
「そ、それは悪かったよ…。でもよ…優月に危害が及ぶのだけは、俺が耐えられねぇんだよ…!」


分かってるよ…。
私が新一の立場だったら、同じ事するもん…。


「分かってる…。だからもういいわ…」
「…へ?」
「フフッ!私もちょっとからかいすぎたしねっ!新一だって、私の事考えた末の決断だったんだし…。チャラにしてあげるわ!」
「…優月っ!」
「きゃっ!」
「オメーはやっぱ最高の彼女だな!」
「フフッ!当たり前な事言わないでよね?」


新一だって最高の彼氏だよ!


「…そんじゃまぁ、説教はこれ位にして…」
「え?」
「薬が切れたらまたコナンになっちまうんだ…。今のうちにオメーをたっぷり可愛がってやんねぇとな…!」


ひ、久しぶりのドS新一様、降臨…!!


「えっ…あ、あの…」
「…オメーさぁ」
「は、はい…?」
「…忘れたなんて言わせねぇぞ?」
「な、な、何を…?」
「帰って来たら幾らだって言う事聞いてあげる…って言っただろ?」
「…あっ!あ、で、でも」
「今までの分も含めて死ぬほど仕返ししてやるよ…!」


メーデー!メーデー!


「で、でもここソファ…」
「関係ねぇよ…」
「んっ…!」


この後、散々ドSな彼氏に凌辱&強制奉仕をされ、やっとの事で朝方に寝かせてもらえた私。
どうしていつもこうやって立場逆転しちゃうの…!!


bkm?

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