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Zauber Karte

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彼の強制力


「俺…ずっと前から花宮さんの事が好きなんだ!」
「えっと…ごめんね?」
「…わかった」


はぁ…。
今月だけで何人目なんだろ…。
ってゆうか、今の人…誰?


「さすが!帝丹高校のマドンナ!」
「園子、蘭!」


ど、どこから見てたの!?


「もう今月だけで20人目よ!」
「か、数えてるんだ…」
「やっぱり敵がいなくなった瞬間増えたわね!」
「え?どーゆー事?」
「は!?あんた…知らなかったの!?」
「何が?」
「もう優月ったら!新一よ新一!」
「…新一がどうしたの?」
「新一君が、いなくなった途端に告白が増えたって事は…?」
「………え?」


えっと…何?
全っ然わかんない…。


「新一ね、今まで余計な男子達を排除してたのよ!」
「は、排除?」
「影で頑張ってたのよあの推理オタク!優月が告白されないように威嚇してたの!」
「え…そうだったの!?」


だから新一がいなくなった瞬間増えたんだ…。


「別に心配する事ないのにね?」
「でも優月だって、新一に告白する女の子いたらやきもち妬くでしょ?」
「…まぁ、そりゃあね?」
「新一君も優月も、何気にファンクラブあるからね〜」
「フ、ファンクラブ!?」


何それ!
知らなかったよそんな事実!


「まぁ大丈夫よ!あんた達2人ならさ!」
「べ、別に何も心配なんか…」
「あらあら、妬いちゃってー!」
「や、妬いてないもんっ!」


ぜーーったい妬いてなんかない!!
嫉妬なんかしないよっ!!
……でも、ファンクラブ、か…。
何か嫌な響き。


「えっ?森谷帝二のガーデンパーティー?」
「ああ。俺、事件の調査で忙しくてさ…。同伴者OKって書いてあるから蘭と居候のコナンでも誘って行ってくれないか?」
「パーティーねぇ…」


興味ないなぁ…
あ、このページに特集組まれてる服可愛い!


「……あ」


雑誌の星座占い、新一のラッキーカラーは赤なんだ…。


「おい、聞いてんのか?」
「新一?」
「ん?」
「牡牛座のラッキーカラー赤だって!」
「……そーかよ」


うん、じゃあ映画はあれにしよう。


「パーティー行ってあげてもいいけど、来週の映画すっぽかさないでよ?」
「あ、ああ…。っつーか何の映画見んだよ?」
「赤い糸の伝説!ラブロマンスよ!」
「…俺そーゆーの」
「じゃあNY帰る」
「…わぁーったよ!」


ふふっ!
ほんとは帰る気なんてこれっぽっちも無いんだけどね。


「えへへ!新一は優しいね!」
「オメーだけにしか優しくねぇからな?」
「分かってますって!」


早く会いたいなぁ。
再会して以来、こんなに離れた事無かったから…。


「で?」
「うん?」
「最近学校はどうだ?」
「あーもう嫌になる!」
「何かあったのか?」
「新一がいなくなってから今日迄で20人目よ!告白してきた人!もう呼び出されるの疲れる!」
「…………」


う、あ…。
この久しぶりに感じるオーラって、ま、まさか…。


「…し、新一?」
「…名前」
「え?」
「その20人全員の名前言え」


いや、あの…。
怖すぎるよ推理之介さん…!


「あ…えっとね…B組の笹木君と…」


ケータイからドSオーラをビンビンに感じながら律儀に教えた。
逆らうとどんな目に遭うか分かんないもん!


「最後は3年の矢田先輩です…」
「…よし、ありがとな」
「い、いえ…」


ああ…。
ごめんね、みんなぁ…。
ってゆーかこの人、名前聞いてどうするつもり?


「じゃ、ガーデンパーティーの件よろしくな!」
「はいはい!…めんどくさいなぁ」
「何か言ったか?」
「い、いえ何も!」


機嫌悪すぎる…!


「あ、そういえば」
「あ、悪ぃ!またかける。じゃあな!」


ガチャ


「…結局いつものパターンじゃない」


あーあ。
いつになったらまた一緒に住めるのかな…。
去年に戻りたい。
そう思いながら、深く溜め息をついた。


bkm?

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