smaragd | ナノ

Zauber Karte

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キミに、会いたい


結局事件だと張り切って行ったのに、男の単なる嫉妬からくるモノだったとはね…。
まぁ気持ちはわかるよ?
私だってライバルに弓を弾く右手を怪我させられたらぶちギレるよ?
でもさ、さすがに子供は誘拐しないよ…。
なんで日本にはこんなくだらない事件ばっかりなのかな…。
もっとこう、ワクワクするような…。
スリルを味わえるような事件って無いの?
……な、なんか私。
だんだん新一に似てきた…?
いや、それは無い!
ぜーったいに無い!


「今日はごめんね?プレゼントの事相談のれなくて…」
「ううん!気にしないで!自分で何とか決めるから!」
「…そっか!良いの見つかるといいね!」
「うん!」


あ、そうだ…!


「…もう面倒だから今電話して聞いてみようかな!」
「…げっ」
「あ、良いじゃない!電話してみなよ!」
「うん!」


プルルルル プルルルル…


「も、もしもし…」
「あ、新一?」
「優月か…どうした?何か用か?」


用が無きゃ電話しちゃいけないのかっ!


「…あのさぁ」
「あ、ああ」
「新一、浮気してないよね?」
「…はぁ!?」


ここで"してます"って言う男だったら引くわ…。


「オメーそんな事いちいち聞くために電話してきたのかよ?」
「冗談よ冗談!誕生日プレゼント、何が欲しいか聞きたくて…」
「ああ…。別に欲しいモンはねーな」


相変わらず物欲が無い男ね…。


「それじゃ何あげたらいいかわからないじゃない!」
「別に欲しいモンなんてねーよ。ま、しいて言うなら…」
「うん?何?」
「オメーを久しぶりに可愛がりたい…かな!」


…この変態ドS!


「…帰って来たら幾らだって言う事聞いてあげるわ」
「ま、まじ!?」


フッフッフ…


「ただし!条件があるわ!」
「な、何だよ?」
「来週の土曜日、オールナイトの映画行こ!」
「ええっ!?」
「午後10時に米花シネマのロビーで待ち合わせね!」
「ら、来週の土曜はマズイんだ!もっと先なら…」
「ダメなの!」
「え?」
「その日じゃなきゃダメなのよっ!」
「……で、でも」
「新一は…私に会いたくないの…?」
「…わぁーったよ!」
「やったぁー!じゃあ来週の土曜日ね!すっぽかさないでね?」
「へいへい…」
「じゃあね〜!」


ピッ


「優月、良かったね!新一に会えるの!?」
「うん!来なかったらぶっ殺すまでよ…」
「そ、そぉ…」


んでもって工藤家の小説を全部売っ払ってやる!


「あ、コナンくんトイレにでも行ってたの?」
「う、うん…」
「じゃあ私はそろそろ帰るね!」
「え?夕飯食べてってよ!」
「でも昨日もご馳走になったし…」
「うちは全然構わないわよ!ねぇコナンくん?」
「うん!優月姉ちゃん、一緒に食べよ?」
「コ、コナンくん…!」


何て可愛いの…!!


「コナンくーん!」
「ぐえっ!」
「もう何でそんなに可愛いのよ〜!!可愛すぎて食べちゃいたいっ!」


可愛いなら
食べてしまおう
コナンくん
優月、心の俳句


「ち、ちょっと優月…」
「あ、ごめんごめん…」


でもそれもこれもコナンくんが可愛すぎるからいけないんだよっ!!


「ん〜!蘭のご飯はいつ食べてもdelicious!」
「ふふっ!ありがとう!」
「コナンくんはいいな!蘭に美味しいご飯作ってもらって!」
「ハハハ…」


私も探偵事務所に住みたいな〜!


「でも優月だって料理上手じゃない!」
「……」
「…優月?」
「優月姉ちゃん…?」
「…いくら上手でもさ」
「「…え?」」
「1人で食べても、美味しくないよ…」
「……優月…」
「……」


電話で声聞くだけじゃ、寂しいよ…。
新一…。


「きっとね?新一は、私の事…強いって思ってるんだと思うの…」
「「……」」
「でもね、弱いの…。声聞く度にっ…。会いたくて」


最近、妙に涙腺が緩くなってる事に気付いた。
その理由はきっと、新一と離れてるからなんだと思う。


「全く…新一ったら何やってるんだろう…」
「…蘭?」
「事件事件って…優月を放り出してさ!」
「……」


蘭…。
ありがとう…。


「ご、ごめんね泣いたりして!」
「優月…」
「最近涙脆いんだ、私!1人になると、泣いちゃって…」
「…優月姉ちゃん」
「うん?」
「…新一兄ちゃん、言ってたよ」
「…何を?」
「落ち着いたら、会いに行くって…。優月に顔を見せるって…」
「…ほ、ほんと?」
「うん。だから…泣かないで、待ってようよ…?」


何でコナンくんが泣きそうになってるんだろ…。
私のせい…かな…。


「…うん!待ってないとね!ごめんね?折角の夕食の席なのに…」
「優月、元気出してね?次、新一に会ったら私がブッ飛ばしてあげるから!」


し、新一が危険…!
ヤバイ、死んじゃうよ!
…ま、半殺しなら許可してあげるか。


bkm?

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