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Zauber Karte

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願い、想い


私は本当にちょちょいのちょいで事件を解決した。
ダテに犯罪大国アメリカで探偵やってないっての!
ま、事件は殺人に見せかけた自殺っていう、何とも人騒がせ&勘違い男の独り善がりの末路だったワケで…。
で、目暮警部には今後私は一切何がなんでも協力しないから電話しないでって脅して、今はコナンくんを抱っこしながら帰宅中。


「ね、ねぇ優月姉ちゃん…?」
「なぁに?コナンくん」
「僕、1人で歩けるよ…?」
「いいから!コナンくん可愛いんだもん!えへへっ!」


子供のクセに遠慮なんかしちゃって…。
本っ当可愛いんだから!


「ねぇコナンくん?」
「え?なぁに?」
「コナンくんって好きな子いるの?」
「えっ!?」


お、その顔はいるって顔ね?
うふふ!
最近の小学生はませてるわね〜!
…って、私と新一もませてたのか。


「い、いるよ…?」
「あら、いいわね!青春って!で、どんな子なの?」
「えっと…」
「うんうん!」
「可愛くて、優しくて、素直で、えーっと…怒るとすっごく怖いんだ…」
「へぇ〜。何か蘭みたいだね!」
「はぁ!?」
「え!?」
「あ、いや…」


い、今…コナンくん、怒った?
蘭の事嫌いなのかな…。


「ぼ、僕の好きな子ね、」
「うん?」
「バイオリンが好きで、僕、その子が弾くバイオリンが大好きなんだ…」
「あら!偶然ね!私もバイオリンやってるのよ!」
「へ、へぇ…」


いやぁーん!
顔赤くしてるコナン君可愛いーっ!


「あ、ここがうちよ」
「た、高そうなマンションだね…」
「そうなの!聞いてよコナンくん!」
「へ?」
「私の彼氏ね、工藤新一っていうんだけど、変な事件に首突っ込んじゃって行方不明なの!」
「そ、そうなんだ…」


本っ当、突っ込むの大好きよね!
あの変態ドS推理オタクは!!


「でね、新一の両親がこのマンション契約して、見事に放置プレイされちゃったわけ!」
「ほ、放置プレイ…?」
「そう!…全く新一ったら…。どこにいるんだろ…」
「……」
「新一の携帯に電話しても出ないし…」
「…優月、姉ちゃん…?」


どこにいるのよ…。
連絡ぐらいしてくれたっていいじゃん…。


「私を置いて、どこ行っちゃったんだろ…っ」
「……」


やだな…。
子供の前で泣いちゃうなんて、高校生なのに…。


「私には、もう俺から離れるなって…言ったクセに…」


何で、置いてくの…?


「私の事なんて…どうでもいいのかなぁ…」
「違うっ!!」
「……え?」


コナンくん…?


「違ぇよ!絶対に戻ってくるから!だからそれまで待ってろ!」
「……」
「…って、きっと新一兄ちゃん、思ってるんじゃないかなぁ…?」
「……」


そう、かな…。
新一がそう思ってくれてるなら…。


「…ふふっ、ありがとう励ましてくれて!」
「あ…どういたしまして…」
「コナンくんて、新一みたいね?」
「へっ!?」
「さ!早く部屋に入ろ!ご飯作ってあげるね!」
「う、うん!」


本当、コナンくんって昔の新一みたい。
見た目もそうだけど、中身も…。
頼りになって、いつも私を励ましてくれて…。
……会いたいよ。
会って、抱き締めてよ…新一ぃ…。


bkm?

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