03
もうすぐ私の誕生日。あと5日。
もう少しで9歳になれる。
今は11月でリーマスの誕生日は3月だから、ほんの4カ月私がちょっぴりお姉さん。
毎年この時期リーマスはセンずるい!、って言ってる。
でもいつもはリーマスがお兄さんみたいだからこの4カ月くらいは許してほしいな、なんて。
そんなことを考えていたらリーマスの家に着いた。
「リーマスー!」
リーマスの部屋の窓に向かって声をかけるとすぐにそれは開いた。
「セン!今行こうと思ってたんだ!」
先越されたなあ、なんて言ってるリーマスは今日も私の大好きな笑顔だ。
「ふふ、今日は私の勝ち」
右手でVサインを作って見せるとリーマスはまた笑った。
「今下行くよ!」
「うん。」
少ししたらリーマスが玄関から出てきた。
「お待たせ!」
「ううん。行こ!」
「うん!」
2人で手を繋いで行ったのは最近見つけた大きな木。何の木かは分からないけど…とっても大きな木。
登ってみたいけど背が低いから届かない。大人になったら2人で登る約束なの。
しばらく寛いでいたらリーマスが何か思い出したように あ、と声を上げた。
「どうしたの?」
「セン明後日の夜、うちに来れない?」
「夜?」
「夜!」
随分と嬉しそうに話すリーマスに何があるのかと聞いた。するとさらに嬉しそうに笑って答えた。
「もうすぐセンの誕生日でしょ?だからうちでセンの誕生日パーティーやろうって!」
「え、いいの…?」
「もちろんだよ!本当は当日がいいけど、当日は自分の家でやるだろう?」
行きたい!と声を上げた私にリーマスはクスクス笑って
「今日帰ったらおじさんとおばさんにも聞いてさ、良かったら一緒に来てよ。」
と言った。
「私、絶対説得する!リーマスの家でならきっと大丈夫よ。お父さんもお母さんも行けるといいな。」
「うん、僕も来てほしい!」
ああ、まだ決まってないけど明後日の夜が楽しみだわ。
リーマスと出会ってからの4年間にお互いの家へ行ったこともご飯をご馳走になったことも、お泊まりだって何度もしたことはある。
でもお父さんとお母さんが一緒だなんていつ振りだろう。凄く久しぶりな気がする。
今日帰ったら頑張って説得しよう。
「じゃあ明日どうなったか報告に来てもらえる?」
「うん、わかった!」
「楽しみだね。」
「うん!」
お父さん!お母さん!
(あのね、明後日の夜ね!)
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