18


全ての組分けが終わり、先生方の紹介や校長先生のお言葉も終わるとやっと夕ご飯にありつけた。

校長先生の合図で出てきたご飯はどれも美味しそうだ。


「うわあ…美味しそう!こんなにあると迷っちゃうわねセン」

「ふふっ、本当ね。どれにしようかなあ…」


長い組分けの間ですっかり仲良しになったリアと共にうきうきと料理を選ぶ。

それにしてもこの短時間で友人を作れるとは、もしかしたら自分で思っていた以上に私は社交的だったのかしら。

そう思ったけど、隣のリアの屈託のない笑顔を見て彼女のお陰だと実感した。

彼女がとても明るく話上手だからこんな風に友人となれたのだろう。

同性の私から見てもとても可愛らしいこんな素敵な女の子と友人になれるなんて…本当に感謝しないと。


そんなことを考えていたらリアが私にぐい、と顔を近付けてきた。


「ちょっとセン、聞いてる?」

「えっ?…聞いてる聞いてる!」

「ぜーったい嘘ね!全く…ほら、こっちのチキンとローストビーフどっちにする?」

「えっと…チキン!」

「はいはい」


リアは笑いながら私のお皿にチキンを乗せてくれた。

そして自分のお皿にも同じようにチキンを乗せる。


他にも目についたものを食べられるであろう量だけお皿に盛り付けていった。

そして2人で顔を合わせて、チキンを手に持つ。


「「いただきます」」


目の前のチキンを一口かじった。


「「…美味しいっ!」」



「ふふっ、美味しいわねセン」

「ええ、とっても!」


これから7年間もこんなに美味しいご飯を食べれるなんて幸せね、なんて話しながら私たちは食事を楽しんだ。




暫くすると校長先生の合図で美味しいご飯たちは姿を消してしまった。

でも消える頃には私もリアもデザートのパイを食べ終えたあとだったので満足だ。


それから監督生の先輩の誘導に従って各寮に行くことになった。


ふとグリフィンドールの方を見てみるが、リリーはもう大広間を出てしまったようだ。そしてリーマスもいなかった。

少し残念に思いながら大広間を出ようと歩き出したとき、スリザリンの方目をやると調度セブルス君が立ち上がったのが見えた。

セブルス君も私に気付いてくれたので小さく手を振ってみる。

するとセブルス君は手を振り返してはくれなかった。


でもその代わりにほんの小さく笑ってくれた。


落ち込んでいた私にとってそれはなんだか凄く嬉しくて、思いきり頬が緩んでしまった。



そうこうしている間に私の前の人は随分と先に進んでしまっていて、リアに怒られてしまったのだった。




ほんの小さな笑顔
(それだけなのに嬉しいよ)






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