07


早朝のタソガレドキ城。
ここはその御勝手。

女中さんたちが朝御飯の準備を始めた頃御勝手の端の方で私はせっせと作業している。

「…よし。後は入れるだけ…」

早起きして作ったそれらを重箱に丁寧に入れていく。

早起きして作ったそれとは
ぼた餅のことだ。

今日は忍術学園に行く日なので恩師の好きなぼた餅を作ったのだ。


「えっと…厚着先生、山田先生…シナ先生に学園長先生…それから…」


随分と大荷物になってしまうが仕方ない。尊奈門君もいることだし、半分持ってもらうとしよう。

私が尊奈門君を連れていくと報告した後の組頭は本当に大変だった。

私も行くと言い始めて、皆で止めた。


まあ上司に仕事をさせておいて下っぱ2人が出掛けるというのは流石に悪い気もするものだから、せめてもの謝罪ということで……

「これが、組頭の分、っと。」

一回り大きなぼた餅を二つ、学園に持って行く重箱でもタソガレドキの皆への重箱でもない別のお皿に置いた。

そしてすべてのぼた餅を重箱に詰め、蓋を閉めて、学園に持って行く重箱を風呂敷で包む。


「でーきたっ!」


うん、満足!
あとは着替えて朝御飯を食べたら城を出よう。

女中さんたちにお礼を言って御勝手を後にする。今日はどの着物を着ようかな。任務以外ではあまり着物を着ることが少ないから、今日はちょっぴりおめかしをしよう。


自室に戻り、押し入れを開ける。
そして任務用の妖艶な着物ではなく、普段着るための少し落ち着いた着物を出す。

まだ朝食まで時間はあるからゆっくり決めよう。


着物は何の柄に、紅はどの色に、簪は…

なんだか学生の頃に戻ったようだった。そういえば憧れの先輩方と色の任務のとき、同じように凄く悩んだなあ。

今のくのたまの子もそうなのかな。




まるで気分は
(逢い引きするみたい)








「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -