空を見上げて 本章 | ナノ



10.5

幕間


 ……甘い、か?
 だがあいつはもう私を狙わないと言ったのだ。
 疑ってばかりでは進めないではないか。

(いつも本当の事を言うとは限らないよ)

 ……うん。
 それはあるけれど。

 私は誰彼構わず信用してしまうわけではないぞ。

 テノールも、バスも、あの狙撃者も。
 少ししかまだ話してないけれど、それでも解ることはある。

(メゾは強い子だね。 きちんと自分の価値観を持ち、選択を出来る。 でも忘れないで。 私が心配している事を)


 ……うん。
 でも、嬉しい。
 貴方が私に心を砕いてくれているのが、とても嬉しいんだ。

 私は貴方を無条件に信頼している。
 それは、この先何があっても変わることはない。
 例え、貴方が私を厭っても。

(面白いことを言うね。 私がメゾを厭うだなんて)


 ……ふふっ。
 貴方からそう言ってもらえるだけで、もう私は何もいらないよ。

 何も。


 そろそろ寝る。
 結局、あの場所から少し奥まったところに野宿することにしたんだ。
 今日も貴方がよく見える。


 ……おやすみ。

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