文スト 短編 | ナノ
 君愛/ちらりずむ

あ、乳首見えてる。

仕事を終え、自宅で千尋とまったりと過ごしていた太宰はふとそんなことを思った。太宰の隣に腰掛けてテレビを食い入るように見ている千尋の格好は太宰のシャツ一枚である。何故それを部屋着に選んだのか疑問に思うが、彼女をそれを着ているのを見るのは中々気分がいいので指摘することはない。

──閑話休題。

サイズが合っていないシャツはあちこちがゆるゆるだぼだぼで、その所為で色々と見えてしまっている。身長差もあって太宰からは丸見えなので、千尋がテレビに夢中になっているのをいいことにゆるゆるの胸元から見える乳首をじっくりと眺めた。

見える乳首は赤くぷっくりと色づいていて、彼女が身じろぐ度に出てきたり隠れてしまったりと見ていて飽きない。昨晩可愛がってあげたそこは明るい場所で見ると大変美味しそうで、ここからどうにかそういう空気に持っていけないかなァなんて思いながらそこを眺める。

「成程……」

これが、チラリズム。これをツマミにいい酒が飲めそうである。一人頷いていると、流石に気付いたのか横からじとりとした視線を感じた。

「治くん」
「なんだい?」
「……えっち」

照れ臭そうに、でも楽しそうに身を捩って笑う千尋は誘っているようにしか見えない。千尋がそんな態度を取るのなら手を出しても許されるのでは?

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