文スト 短編 | ナノ
  【ネタ】君愛if 文スト(ビ)→コナン

・文スト組はみんなビの記憶あり
・前にあげた君愛主(ビ)の続き?
・出てくるのはポトマのみ

状況としては文スト組は転生してるんだけど、太宰だけは横浜ではなく東都で生まれ育つ。君愛主含めて文スト組は横浜で。
森は森コンポレーションの社長、紅葉姐さんはそこの幹部。中也と君愛主、芥川は学生(孤児)で森さんに引き取られてる。

森さんが所有するビッグジュエルはKIDから犯行予告が。それを聞きつけたコナン組が横浜へ。
コナン組と仲のいい太宰もちゃっかり同行することに。この時コナン組には君愛主にちょっと似てる女の子()がいる。
で、女の子を君愛主の代わりにしてる太宰にゲロ甘対応されてるもんだから女の子は太宰と付き合ってると勘違い済み。
蘭たちも付き合ってると勘違いしてるところがあるというか、女の子がそう公言してるからそれを信じているといった状況。

コナン組+太宰、女の子で横浜へ。

森一家が暮らす屋敷へ招待され、文スト組、君愛主と再会する太宰。
周囲とのやり取りから君愛主にも記憶があるっていうことがわかるんだけど、無理やり記憶を奪った癖に手放せなくて近くに縛り付けていたという罪悪感から中々自分もと打ち明けられない。

そんな時偶々2人っきりになることが出来て問いかける。

────────────────

「ねェ、君、恋したことある?」

ぼんやりと窓の外を眺めていた彼女は黒曜石のような瞳を此方に向けて、それから興味無さげにまた窓の外へと視線を向けた。
それに心が掻き毟られているだなんて屹度思ってもいないのだろう。
沈黙。彼女は何も言わない。太宰も言わない。ただ二人揃って窓の外を眺める。

「恋、してるよ」

ぽつりと彼女が呟いた。
その言葉に勢いよく彼女の方を向き、期待を込めて見つめる。
昔、命を落とす前。自分と彼女が想い合っていたことを太宰はよく覚えているけれどもその時の太宰にはやるべきことがあって、彼女の想いにも自分の想いにも答えることが出来ず、彼女から記憶を奪うことでそれに蓋をした。
覚えてくれているのだろうか、あの時間を。期待で胸を高鳴らせる太宰に目を向けることはなく彼女は続ける。

「姿を見るだけで嬉しくて、ほんの少しでも言葉を交わせたら幸せで。我ながら単純だなって思うくらい、あのひとのことがすき」

彼女がこんなにも喋るのは珍しい、そう思いながら横顔を見つめる。
とろりと蕩けた瞳。あの頃に思いを馳せているのだろうか。
自分もだと。君の姿を見る度に幸せで、声を聞ける度に嬉しくて、冷たい態度を取ってしまった時は自分が嫌いで堪らなくて。

ずっと言いたかった言葉がある。

冷たくしていてごめん、君から色んなものを奪ってごめん、置いて逝ってごめん、私のことを好きでいてくれてありがとう。
そう口にしようとしたけれど────

「でも、もう、恋はしないの」

息を飲む。彼女が此方を見た。

「私は約束を守れなかったから、独りにしてしまったから」

輝いていた筈の瞳は暗く澱み、恋する乙女のように蕩けていた顔は何かに耐えるような顔へと変貌している。

「千尋、」
「私にはもう、恋する資格なんてないの」

名前を呼んでも反応することはなく、彼女は足早に立ち去る。
恋する資格がないなんて、そんなこと言わないでよ。

────────────────

こんな感じでキッドからビッグジュエルを守る傍ら、太宰と君愛主がもだもだする話。

prev / next


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -