心酔コンフリクト
「誕生日おめでとう黒子。お前がうちに来てくれて本当によかった、感謝してる、ありがとう」
「朝練遅れますよ」
「おいてめえ」
「貴方が心にもないことばかりほざくからじゃないですか」
「黒子ー誕生日だって? ガムやるよ」
「ありがとうございます原先輩…顔が近いんですが」
「口移ししてやろうと思って」
「じゃあお気持ちだけ頂いておきます」
「ちぇー」
「原、勝手に手え出してんじゃねーよ」
「花宮だって絡んでたじゃん。抜け駆けずっりー」
「お前らこんな朝っぱらから黒子に絡んでんのか」
「黙れ山崎」
「うっせー山崎」
「何でだよ」
「古橋、何俺が少し目ぇ離した隙に何頭撫でてんだよ。返せ」
「お前のじゃないだろう、花宮」
「フハッ、何言ってんだよ。そいつが入部した時点で俺のもんに決まってんだろバァカ」
「ちょっと退学届出して来ます」
「退部届じゃなくて!? ていうかいねぇ! 古橋何で捕まえとかねえんだ」
「花宮に取られるくらいなら」
「真顔で言うな!」
「おぅい、何、どしたんだよ」
「瀬戸てめえ今頃何しに来やがった役立たずが」
「何で朝練開始10分前に来た俺はキャプテンにいきなり罵られてんの?」
「とっととその俺よりは劣る優秀な頭働かせて黒子探して来い」
「………黒子ならさっき会ったけど」
「何で捕まえねえんだよ惰眠貪ってるだけの中途半端ヤロウが!!」
「こんなに責められなきゃいけないか」
「………古橋、お前は西棟な」
「見つけても花宮には連絡しない方向で」
「聞こえてんぞお前ら」
「せっかく帰りファミレス寄ろーと思ってたのになー。花宮が意地悪言うから」
「てめえの方が嫌がらせらしいのやってたろうが」
「俺のは善意からだもーん」
「早く誤解を解かないと余計こじれるぞ」
「そうだよ! あのファミレスの割引券今日までだし」
「せっかく俺より優秀な頭で、あの悪童が計画したお誕生会だもんな」
「山崎、瀬戸、お前ら黒子の代わりに退学しろ」
「瀬戸はともかく何で俺までっ!」
「ファミレス行ったら黒子にあーんしてもらう俺の計画がパーになる」
「原ぁ!!」
「…………」
全て聞いてしまった自分は、どんな顔をして戻ればいいのか。
心酔コンフリクト
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【誕生日】
君を誘う日
2013/05/15 初出