今→坂(pdl)
2014/08/31


風と呼ぶには、光り過ぎてる。

汗のせいか、頭から被ったボトルの中身のせいか。前だけ見据える瞳のせいか。

太陽を浴びて、朝露のように。

「小野田、お前」

「うん?」

レンズ越しに、大きな瞳が真っ直ぐ映った。

「お前、き……、………」

「『き』? 何?」

何でもない、と呟くように否定して、かぶりを振ると毛先や睫毛から汗が散った。

きらきらしてる、とか、ガキか俺は。


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テーマ「推しとの恋」
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