指先→賞賛
※ワタル+グリーン※




 

「グリーンくん。トキワジム、ジムリーダー就任おめでとう」
「白々しい挨拶だな」
「まぁ、そう言うなよ。本心だ」
「散々、俺がジムリーダーになることに反対してたくせになぁ? 掌返しやがって」
「ははは。だいたい、社会なんてそんなものだよ」
「これから上手いこと渡っていかなけりゃなんねーなんて、ぞっとするぜ」
「社会経験になるだろ?」
「俺は俺の好きにさせてもらうし、誰にも口出しさせるつもりはねーがな」
「上手く事が運ぶかも君の力量しだいだ。頑張るんだな」
「心にもねーだろ」
「いつだって相手してあげるさ。俺も舐められちゃ困るんでね」
「十歳のガキに負けたおっさんが何言ってんだ」
「こら。おっさんはないだろ。せめてお兄さんと言え」
「俺からすれば十分、おっさんだ」
「全くこれだから可愛気がない。だから敵を作るんだ」
「知るかバーカ。いくら敵が増えようが関係ねーだろ」
「世間を甘く見ちゃいけない。敵が増えると動きにくくなるのは君だ」
「へーへー。肝に銘じておきます」
「まぁ、今に君を引き摺り下ろす輩が現れないとは限らない。油断しないことだな」
「トキワジムをまたカントー最強にまでのし上げて、見返してやるぜ。ごちゃごちゃ言わないで黙って見てな」
「それは頼もしいことだ。また報告を待っているよ」

 そうして恭しくグリーンの手をとったワタルは、その指先に口付けを落とした。


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あとがき
この後、腹パンした。

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BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
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