#07 Do you know?





「それで」

「・・・?」

「頼みごとってのは、何だ?」

「!」


この件も既にわかっているのか、いや、もうこの人なら何でも知ってそうだ。
俺はもうとにかく今までのことを完結に話した。


「つまり結論的に言うと、お前は元の世界へ帰りたいと・・・」

「あぁ」

「そしてこれは、ネロの夢だと・・・」


2様はそう言って「Hum・・・」と考えだした。

そして小さく首を振る。


「そうだな、俺がひとつ言えるのは、お前が帰るキッカケを作れるのはお前次第ってことだけだな」

「俺次第?」

「お前が今の心を開けば、夢と現実の扉も開かれる」


「なッ!!」

(冗談じゃない!!!)
そう叫びたかった。

心を開く、なにもかもをさらけ出すということは、自分の弱点を回りに教えるのと同じだ。


「なら、お前は父親のことを知っているのか?母親は?」

「うっ・・・ッ」

「義理兄がお前のことをどうおもっていたのかは?」

「・・・・それはっ」

「じゃあ、いつもそばにいる人間のことは?」

「いい加減にしろ!!!!!」


そのまま、俺は今はもう人間の手をテーブルへと打ち付けていた。


「Ha!・・・笑わせる」

「今始めてあったような女王様に、何がわかる、何が解るってんだ!!!」

「ネロ、一つ心にとどめておけ」

「煩い・・・」

「お前は何も知らなさすぎる」

「煩い!!!!」


そのとき、ドタドタと廊下を走る音が聞こえた


「2様」

「もう少し静かに歩け、初代」

「Sorry...任務完了した、ヤツは牢獄だ」

「そうか」


顔をみせたさきほどのエースと名乗った男の服は至る所が切れていた。

まるで死闘の戦闘をくりひろげたあとのような・・・しかも所々にある白い綿毛
俺はあの色をどこかで見た、いや、知ってる、・・・あれは・・・――


無表情のままこちらに向き直った2様は言う。


「ネロ、”兎遊び”でもしないか?」


その言葉に、俺は席を思いっきり立ち上がった。


”髭兎がヤラれた”


俺の脳内の事実には先程の怒りに上乗せされて、その事実が深々と胸に突き刺さる。

俺はそのまま入ってきた彼の横をすり抜け、扉を飛び蹴りして開け、そのままころがる
ようにして廊下に出た。

赤々しい絨毯が今は異様に腹が立つ。

しかも、何故か、どうしてなのかわからないが、城の天井から砂埃が落ちてくる。
まるで崩れかけるような・・・そんな・・・。



こんなところ、来るべきじゃなかったのかもしれない。


後悔が、俺の足を急かした。





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