緊急発進にご注意を! その1




朝からひっきりなしに電話がなりひびき、鬱陶しそうな呆れ家をして髭は
電話線を引き抜いた。

「俺より喋るやつは嫌いだ」

そういって再度エロほんを頭に載せてイスの背もたれにぐっと見をよせる。
その様子を横目で見ていたネロは深く溜息をついて日曜日の親父のごとく静かに寝息をたてはじめた髭の
頭を手ではねようとして、見事綺麗にかわされた。

「おい、電話線抜いたら仕事の電話も繋がらないだろ」

避けられることはわかっていたが、地味に悔しい。
正論を静かにそう言い放つと、肩をすくめて髭は睨むように電話に眉をよせた。

「いったい、ひっきりなしな電話の内容はなんなんだ」

ことをみかねた2様が喧嘩になって家具を壊されまいと表情をぴくりともさせず髭に尋ねると
髭はその隣にいる初代のほうをちらりと見てから、腕を組んだ。

「パティお嬢さんが誕生日だからパーティーをひらくとよ」

あぁーと納得したような顔をする2様と、初代にいたってはまだパティには会ったことはないようで
若やネロと共に首をかしげた。

「2人は今後の楽しみにしておきな」

「モリソンに断っておけとはいったんだ。だけど、どうにもしつこくてな。」
「それに関してはレディ、トリッシュに並び同じ苦労だな」
「あってもこんな、土砂降りと雷雨が1週間も続いてる中いきたくもない」

「そうはいうけどさ、電話つかえないのは無理」

肩をたたきあう2様と髭を横目にしてネロは電話線を繋ぐ。
金欠のなかで依頼の可能性までなくすなんて、すっかり守銭奴になったネロが許せるわけがなかった。
繋いだ瞬間に鳴り響く電話のベルに髭が嫌そうに目をひらく

「あ、こら、電話を取るな」

「Devil May Cay」

パティという女性ならば断れば良いし、他の件ならばまた話を聞けばいい。
そうおもって受話器をとったネロは、表情をかためた。

「モリソン?」

情報屋でも悪魔退治に関わる情報を流せるモリソンの存在はネロも知らないはずはない。
暫くして、話をゆっくりのみこみ、受話器を置く。

「……仕事だぞダンテ、場所は……レッドグレイブ市だ」


その言葉を聞いて、全員の動きが固まった。


[ 32/34 ]
[BACK] [NEXT]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -