2様にネコミミが生えました




先日、とある依頼に初代と2様は出かけた。

2様がいれば十分だが、たまには共闘がしたいと言う2様の申し出で
冬で水関係の依頼が少ない分一番暇だった初代が選ばれたのだ。

まぁ週休六日なのはまだ変わってないらしいが。


ちゃっちい依頼の割には裏になかなかの大物が隠れていた。
ダンテが2人も居る分すぐに方は付いたが、一番の問題は倒してからだった。


「化け猫もさっさと還ってオネンネしてな!」

「くっ我が負けるなど、そんなっぐ、ぐがぁぁあ!!」


灰になるはすが辺りに黒い粉が舞い散り、2様が眉を潜めた。


「なんだこれは」


まるで黒い雪が降るように辺りに積もり、そのまま消える。

その時は普通に「変わった悪魔もいるものだ」としか思っていなかった。


今の今までは・・・――――。








「なるほどね」


髭の一言で、初代様の回想は打ち切られた。


「しっかしまぁ、よくできたもんだ」


ぴょこぴょこと震える2様の耳をまじまじと見て髭言った。


「そういうプレイが好きなヤツラには大ウケだろうな」


どういうことか翌日2様の耳に猫耳が生えたのである。
それを見た時皆の反応といったらまた個性的で。

一番最初にネロと顔を合わせ、ネロは顔が真っ赤になり。

次にバージルに会うとそのまま微動だにしなくなった。

若は大爆笑をして、そして最後にこの髭である。


「ちょっとまってくれよ」

「なんだ若」

「その話じゃ、その悪魔の粉をふられた初代はどうなんだよ」

「そういえば、平気だな」


あの時一緒にいた初代は平気なのである。


「まぁ、何にせよ悪魔の呪いが溶けるまでこのまましかないだろ」


其の答えに周囲がうなづく。

何かあればその時はその時だ、気楽に考えるのがこの家主のダンテ流であり、黙ってそれに同意する。

その日はそれで解散として、
ネロは買い物へ、若とバージルも出かけ、いつの間にか髭も居なくなった。

この事務所には俺と2様がぽつんと残ってしまった。


しかしまぁ、気になるものは気になるのだ。

言葉をあまり発しないため、其の耳は代わりに2様の心情を表すように動く。


「2様」


ビクッ


「何だ」


ほら。
普段は冷静に答える2様、しかしその反面耳はビクリと震え今はピンッと立てて此方を伺っている。


「いや、なんでもない」

「そうか」


めんどくさい反面残念そうに耳が垂れる。
再び目の前にある、いくらか難しそうな雑誌に目を通し始めた2様を背に、俺はふと思った

もし、もし俺が2様予想を上回ることをしでかしたらどうなるのだろう、と。


例えば、いきなり襲いかかるとか

例えば、コーヒーにバージルのワサビを大量に溶かして入れるとか

例えば・・・例えば・・・――――


その耳にキスしてみるとか。



いやいや、何を考えてんだ俺。

しかし、このメンツでいくらかまだ若い俺は好奇心が上回る。


もしこんな時まだ俺より年を食ってる髭だったら、どうするだろうか



「・・・はぁ」



ため息が自然と漏れると、気づいてないように振舞っている2様と正直な其の耳は、俺の方に傾く。


「―――、」


あぁ、ああ!

俺は、どうにかなっちまうのかもしれない。




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