コイ×ココロ ダンバジ(DMC編)

とある塔の頂上にコワイコワイ半人半魔の自称悪魔さんが住んでいました。
青いコートを何時も身にまとっている彼の名前を、バージルと言います。


誰も近寄らない塔で、いつも一人ぼっち。

彼はいつも強気でした、でも心では父も母も死に弟も意地で自ら拒絶して、寂しくて寂しくて、仕方有りませんでした。
そのキモチをココロの奥そこに眠らせて閉じ込めました。



ある日、彼の塔に一人のトニーと名乗るデビルハンターが迷いこんできました。

いつもなら直ぐに怖い目にあわせて追い払ってやろうと思いましたが
悪魔なバージルは気まぐれで彼とお話をすることにしました。


「お前は俺が怖くはないのか」

「俺は、アンタがどんな残酷なヤツだろうとアンタあはアンタなんだ。関係ない」


悪魔さんは最初こそ鼻で笑い飛ばしましたが、内心それが嬉しくて嬉しくて仕方有りませんでした。

そしてすっかり戦闘中に背中を預けられるほど信頼を得た悪魔さんとデビルハンターは日付を決め

幾度か満月の夜にこの場所であまた合うことを決めました。



ある満月の日、デビルハンターの彼はその場にきませんでした。

次の満月も次の満月も、バージルはまたひとりぼっちでした。


やはりヒトは憎いものだ、信じた俺が馬鹿だった。
そう思った彼はヒトを襲い、自分も完全な悪魔になってやろうと計画を始めます。


すると、ドアが荒々しく蹴破られる音が聞こえました。

誰かが入ってきた瞬間にとあることを彼は肌で感じました。


嗚呼、ニンゲンの臭いがする。

丁度いい、こいつから襲ってやろう。



そう決めて息を殺し、振り向いて愛刀を構えた先にはそれは血のように赤い服を召したいつもの彼が立っていました。


「俺はアンタと一緒にいたくて拒絶されてまで此処までたどり着いたんだ
もう一度俺と一緒に来ないか? オニーチャン」


バージルは、瞳からめったに見せない涙をポロポロと落とすと真っ赤な目は彼と同じ蒼碧へと変化していきました。

そして言いました。


「あぁ、いいだろう ”ダンテ” 」




ひとりぼっちだと思っていた悪魔は、とあるデビルハンターと出会い、

兄を追いかけてきたデビルハンターは、ひとりぼっちな兄と出会い、



懐かしいココロを手に入れました。




ココロのおかげで悪魔でも人でもない彼らはお互い笑いあいました。



そのれから2人は末永く幸せに暮らしましたとさ。


おしまい。





<あとがき> 元々は文化祭に出す全く違うオリジナルのお話として書き上げましたが、ボツになった後もったいなくて改造しました。
ここでは「DMC編」ですが、『ASTERISM』では「オーズ編」もあるので、興味のある方はこちらもどうぞ。


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