「…っ!!轟くん…、何?」



緑谷は轟から声をかけられ緊張したら顔のまま振り返る


クラスの視線が緑谷と轟に集中する



そんな中で轟は口を開いて緑谷を真っ直ぐと、どこか暗く冷たい目で言い放った


「客観的に見ても、
実力は俺の方が上だと思う…」



「えっ…、う、うん…」


緑谷は突然の轟の言葉に戸惑いながらも返事を返す




「けどお前、


オールマイトに目ぇかけられているよな…?」



「…!!」

『…?』



その一言に緑谷はギョッとしたような表情になる


「…別にそこ詮索する気はねぇが、



お前には勝つぞ────」


「「「!!!」」」


『…??』


轟の突然の宣戦布告にクラスの空気が張り詰める


「おいおい…!急に喧嘩腰でどうした…!!やめろって…」

ピリッとした雰囲気を察知した切島が轟をなだめようと前に出るも、

「仲良しごっこじゃねぇんだ…なんだっていいだろ」と容易く手を振り払われてしまう

その一部始終を奈々子はキョトンとした顔で眺める

そして何を思い立ったか突然大きな音を立てて立ち上がりズカズカと轟の方へと歩いていく

「っ、...!」

そして轟の前まで来たかと思うとズイっと勢いよく顔をお互いの鼻が触れ合うスレスレまでに近ずけた

その行為に轟も含めたクラスメイト達はギョッとし、八百万が引き剥がそうとすると奈々子は轟に驚くような低い声で言い放った。


『アナタハ ダレヲミテルノ?』



その声は一切の感情を感じさせないような鋭利なナイフのような声でその言葉を放たれた轟は

一瞬恐怖で思考が停止するもすぐさま

なに…? と奈々子にら負けないような低い声で言い放つ。




『ココに居るのは出久クンだけじゃない…勝己クンだってワタシだって、皆いる。

でも貴方がセンセイフコクしてるのはここにいる誰でもない。もっと別の人ですよネ。

キミが何をしようと自由ですけど…、


ワタシノマエデハ、
【ワタシト】タタカッテクダサイネ?』


轟は恐怖した


何を言っているのか分からないのもそうだが、それよりもこの声に、そして彼女の虎視眈々とした眼に。、


声はナイフのように冷たくて、

眼はまるで果てしなく続く漆黒の闇のよに轟を見つめている。

クラスメイト達も顔は見えないものの、そのトーンや轟の表情をみて思わず震え上がる

唯一、その【原因】が分かる…そして予想出来る爆豪は
舌打ちをひとつして乱暴に椅子から立ち上がりツカツカと奈々子の方へと大股で歩いていき、


スパァン!


『ぶへっ!』


引っぱたいた。
叩き方は彼の母そっくりである。

「テメェ一旦落ち着けや」
『む。痛いです勝己クン』

奈々子は先程の表情とは打って変わってやや涙目で爆豪を見上げる

「始まる前から暴走してどうすんだアホ。暴れるんだったら堂々と本番で暴れろや」

爆豪はクシャリと奈々子の頭を乱暴に撫でで言葉とは裏腹にとても優しそうな目をして言う。

『それもそうデス…ウン。落ち着きマス。

あ、でもトドロキクン。



【今の】アナタは出久クンに勝てないのデス。』

「!!」


当然勝己クンにもワタシにもデス〜と呑気な声で言ってのけた奈々子に轟は怒りを露わにする

しかし奈々子はトタトタと爆豪に近づき

彼の後ろに周りいつもの抱きつく体制で轟に子供のような表情で あっかんべー と完璧に轟を馬鹿にしている


スパァン!

「ヤメロ」
『あい。』
「…ケロ。奈々子ちゃん、落ち着きましょう?」




「…僕も、

全力で取りに行く………!!!」



緑谷は奈々子に感化された様に轟を真っ直ぐと見据えて言った。



「…!!、」


『…!!(センセンフコク!!)』


奈々子はワクワクしていた。

この体育祭に。個性を使用されることが許されて、文字通り【暴れる】ことが出来る今日に。



『…!オォ〜!勝己クン勝己クン!
もうじきニュウジョウです!!』




雄英高校体育祭



いよいよ開幕する_____


「(絶対にお前を救い出す)」

「(右だけでトップになる)」

「(見ていてください!オールマイト!)」

『(トップに。トップになって。見返すんだ。復讐するんだ。ひーちゃんをあんなにした世の中を…!!!!)』



_____それぞれの思いと共に。





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