カリカリカリ…



ひたすらシャーペンがノートの上を走る音と、教室の前で先生が化学式に関する説明をする声が響く。


『(全然分からん…そして眠い…!)』


正直あたしは理科系が大の苦手だ。
単位の為に受ける事にしようとか考えたのがまず間違いで、かなり最初の方から既に脳内パンク状態みたいな感じである…。

今も先生がモルだか何だかの説明をしてるけど、もう意味が分からなさすぎて眠い超眠い。

うつらうつら…と着実に夢の世界へ旅立ちかけていた時だった。


コツンッ!


『いっ…たぁ…!』


いきなり何かが後頭部にぶつかり、一気に眠気がどこかに飛んでいった。
足元を見れば、割とぎゅっと丸められたノートの紙が一枚落ちてある。


『(こんな事すんのはアイツだけしかいないし…!)』


キッと斜め後ろの席を睨む。
そこには楽しそうにニヤニヤとした目を黒縁眼鏡の奥に覗かせる鉢屋がいた。


『(何すんのバカ!)』

「(お前今寝かけてただろが、起こしてやったんだから感謝しろよ)」


小さな声で怒ればまあ、返ってきたのは感謝しろだとこの野郎…!
確かに寝るのは良くないから、鉢屋の言ってる事は正論なんだろうけども。
何かコイツに言われるとムカつく、とにかくムカつく!


『(あんただってたまに寝てるでしょ!寝息聞こえてくる時あるから知ってるんだよ!)』

「(俺名前と違って寝てても後から理解出来るから〜残念でした〜)」

『(ぎっ…!)』

「(大体赤点予備軍のお前に言われたかねっての)」


小さくケラケラ笑いながらそう言ってきた鉢屋。



ぷつり、



『ふっ…ざけんな鉢屋爆発しろこの野郎!』



しー…ん




「苗字…?」


『……はっ!!』


先生の顔が笑顔だけど怖いです!周りもポカンとしてますすみません!

思わず叫んでしまい、しまったと思った時には遅かった。


くるりと小さく後ろを振り向けば、憎らしい顔であかんべをする鉢屋が見えた。

「苗字後で職員室来いな」

「(ざまあみろバーカ!)」

『(…っ!この性悪が…!!)』


ニヤニヤ笑うコイツの顔面を一発殴ってやろうかと思った。



化学の時間




(先生鉢屋くんが後ろからこれ投げてきたんです!)

(あっ、おま…!)

(よし鉢屋お前も職員室来い〜)

((名前てめぇ…!))

((道連れだバーカ!))





‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

化学苦手なのは私ですw←
とりあえず鉢屋に化学教えてほしい、そしたら頑張れる気がするから鉢屋あぁ…!!

あと黒縁眼鏡は私が好きなだけです^^←



- ナノ -