はい、完全にお手上げです
0時35分、
決着は着いたのだった。
「勝者、高宮類ぃいい!」
「うぉおおお!我こそ高宮家の長、類さまなーるぃいいい!」
愚民どもこれからは天才リンク使い類さまと呼ぶがいい、ぶはは!と片口で笑った類は吐き捨てる。
天下は今宵少年の手にとられた。
「ああ!もうちょっとでママが女王だったのに!」
「パパだって、あの一撃さえなかったら!ううっ!」
「五臓六腑が千切れるほど、悔しいでございまする椿殿!」
「私もだよ!これが、敗北っ!くっ!む、胸が…胸がァアア!」
「椿殿ォオ!お気を確かにぃい!」
「幸村、デイジーに、悪かった、と、伝えて、くれるか…お前は、俺の分ま、で、生きろ、と……うぅ!」
「椿殿ォォオオオ!お主が遺言、必ずやでいじい姫へ届けましょうぞ!」
その一部始終を見下した目で見ていた類は、ソファにどかりと座り込む。そして顎で玄関を示した。
「牛乳プリン買ってこいや、最下位のデイジーコンビ」
にやりと黒い笑みを浮かべた類は、30個な、と付け足した。
「「うっそぉおお!」」
もう0時過ぎてるんですけど!と椿、よい子はもう寝る時間でござるよ!と幸村。
「あ?何、カス敗者どもが高宮家の帝王相手に口出しできると思ってんの?」
「…。」
二人の心の声、
何も言えねえ。
はい、完全にお手上げです。