遊戯は終わりだ、愚民ども!
「うぉおおお!行けぇえでいじい!」
「ああああ!ゆきむるぁああ!後ろからリンク(類)がぁああ!」
「いっぱァアアつ!」
椿の言葉も虚しく、デイジーはリンクの剣をまともに食らったかと思えば、ドン!と画面にぶつかり、空の中へ消えていった。やはりゲーム初体験の幸村には、この家の猛者たちと戦うには早過ぎたようだ。椿にコントローラーを渡す前に、死の危機に晒されていた。
「あと一気で終わりだよォオ!自称最強コンビさぁん!」
「あらお姉ちゃんたちもう終わり?お母さんあと三気もあるんだけどー可哀想に半分分けてあげたいわ」
「お母さん、類。そんなこと言っちゃ駄目だろう。温かい目で…あと一発を食らわせるんだァアア!」
うぉおおと湧き上がる反デイジー派。
「易々と倒されるかァア!」
「男はそう簡単には倒れぬ!」
「今はデイジーだけどね!」
「そうでござった!女はそう簡単には倒れぬ!」
「よし、幸村!」
「椿殿!」
「「こうなりゃ奥の手だ(でござる)!」」
一旦停止ボタンが押されたかと思えば、二人が真面目な顔で向かい合った。
「おっとお二人さん、試合中のコントローラーの交代は原則として規則違反、即退場ですぜ?」
「ふははは、そんなことウチらぁがすると思うてるん?」
「要はこんとろうらぁを相手に渡さなければいい、のでござろう?」
にやりと笑う幸村と椿。
その黒い笑みに、反デイジー派の三人が竦みあがった。
「…椿殿、合体でござる!」
「おっしゃあ!」
その途端、コントローラーを持つ幸村の後ろから椿が身を乗り出したかと思えば、幸村のコントローラーを一緒に構える。そうこれが二人が編み出した技、コントローラーを二人で持ち戦うという、
「「秘技!二人操作デイジー!」」
「まじかよぉお!」
「くっそぉおお!」
「そんなのありぃい!?」
「規則は破っておらぬ!この通り某はこんとろうらぁを持っておるのでな!」
「さぁ、反撃といきますか!」
デイジーコンビ起死回生なり!
遊びは終わりだ、愚民ども!