準備はいいか?さあ、遊べ!
「それでは皆さんご一緒に、
高宮家恒例水曜ゲーム大会ーっ!」
うおぉお!と凄まじい盛り上がりを見せるのは、この家の家族四人プラス新入り居候の戦国武将幸村だ。この人たちのノリの良さは時代をも超えるらしい。
ごほん、とわざとらしく咳を一つ落とした父、順次。
「幸村くん高宮家ではね、」
「何でござろう」
「ゲームの勝者がこの家のトップ、つまり高宮国の帝王となるのだぁああ!」
「まことにござるかぁああ!何とげえむという名の戦で勝ったものが高宮国統一できるのでございまするな!」
「うむ、そうである!そなたは先日我が家に入ってきたばかりの新人、ヒヨッコだ。しかーし!そなたが我々高宮家四天王を討てば、この家が主になることも有り得るということだ!」
「うぉおお!その勝負燃えますぞぉお!」
「幸村にこの俺が倒せるかな!ぶははは!」
「あら類ちゃん。まだママに勝ったことがないこと、お忘れ?」
「ふははは、君たちまだそんなやり取りをしているのかい?この家が権利は誰にあると?高宮家のエリザベス女王、椿光臨!」
「ななな何と!椿殿が最高権力者なのでござるか!」
「あら、今はあなたの知ってる椿と一緒にしないでちょうだい。スマブラ百戦錬磨のデイジー姫よ!」
「で、でいじい姫っ!」
一国の主を賭けた仁義なき戦い(ただの家族内ゲーム大会)が今幕を開けようとしていた。
準備はいいか?さあ、遊べ!「ってかさ、コントローラー4つしかないけど」
類が思い出したように告げた。静寂が広がるリビング。そして、
じゃーんけん、ぽん!
「うぉおお!椿殿ォオ!」
「ゆきむるぁああ!」
5人を4チーム(二人組を一つ)作るためじゃんけんをしたのだ。結果、この若き虎の子と最強でいじい姫がチームとなったのだった。
「目指すは」
「高宮家統一!」
がしっと腕を組み合った二人。さてこれが凶と出るか、吉と出るか。